事故によるトラブルを防ぐ保護者対応
しっかりとした対応が保護者の安心に
園で事故が発生したときに、保護者と園の間でトラブルが発生する割合は約4%といわれています。トラブルを防ぎ、保護者に安心感を与えるためにも、左のチェックリストにあることは最低限行いましょう。特に、発生時の状況をきちんと説明できないことは、保護者の不安を生む原因になります。包み隠さずに、わかりやすく伝えることが信頼回復には必要です。
また、事故が起きたときの園の対応について保護者に行った調査によると、約3割の保護者が「再発防止についての説明に不満足」と答えています。事故が発生した原因の分析と改善策を講じたら、結果は必ず保護者に伝えるようにしましょう。
加害者となった子の保護者への説明は?
子ども同士のトラブルで事故が発生した場合、加害児の保護者にどのタイミングで状況を伝えるかは慎重な判断が必要です。園の報告よりも前に保護者同士のやりとりで事故について知った場合、園の信用を落とすだけでなく、保護者同士のトラブルに発展しやすくなります。園で起きた事故は園の責任と考え、加害児の保育者にも早めに説明をし、改善策を伝えましょう。
監修/田中哲郎先生
東京工科大学客員教授。NPO法人日本子ども政策研究推進機構理事長として、子どもの安全対策に関して啓発を行う。内閣府「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」委員も務める。
構成・文/香山倫子(KWC) イラスト/鹿渡いづみ
出典:田中哲郎『保育士による安全保育』日本小児医事出版社,2016