愛着関係をはぐくむ「だっこ」
体も心も抱きかかえるだっこで愛し愛されていることを感じる
だっこはおとなと子どもが向き合い、20~30cmの近さで、目と目をしっかり合わせることのできる体勢です。だっこをしながらアイコンタクトをとり「だっこするとよい気持ちね」などと声をかけることで気持ちの通い合いが生まれます。
子どもはだっこしてくれる人の顔を覚え、声を覚え、肌のぬくもりを覚えることで、いつも世話をしてくれる人を覚えていきます。だっこは特定の他人を覚え、愛着関係をはぐくむ大切なかかわりです。
慶應義塾大学医学部小児科の渡辺久子先生によると、「だっこというのは体も心も抱きかかえられて、自分がこの人にしっかり抱かれている、すなわち大事にされ、愛されていると感じ取る。そこでだっこをしてくれる人に対しては心からこの人こそ自分の身をゆだねても大丈夫と感じる」そうです。
つまり、だっこは人を愛することを学ぶことだということです。感情交流の第一歩として人の気持ちを理解する子どもに育つためにも、だっこは重要なコミュニケーションだといえます。