0・1・2歳児の保育
家庭的な保育室の環境づくりが必要な理由
保育指針に「保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること」という一文があります。
園で過ごす時間が長い子どもたちにとって、保育室は生活の場所です。そのため、生活しやすく、リラックスできる家庭的な雰囲気が望まれます。
子どもにとって家庭とは、親愛なる人と一緒にいられる安心感をよりどころにした、いつでも好きなときにごろんと横になって休息がとれる、家族が集いくつろぐ場所です。その意味で、家庭的な雰囲気づくりには施設や道具などの物的環境や室内装飾だけではなく、保育者や子どもを含めた人的環境も大きな要因になります。
0・1・2歳児クラスでは、同じ保育室にいても、一人ひとりの発達や生活のリズムが異なることが多いので、それぞれの子どもが安全に、自分のペースで自己発揮できる環境であることが重要です。好きなことができると自発性も育ちます。子どもの発達と興味に合わせて環境を変化させながら、年齢に応じた保育室をつくっていきましょう。
監修/今井和子先生
二十数年間、世田谷と川崎の公立保育園で保育士として勤務。その後お茶の水女子大学などの非常勤講師を経て東京成徳大学、立教女学院短期大学教授を務める。現在「子どもとことば研究会」代表。全国の保育者研修で講演などを行っている。