保護者との連携
地域の保護者からの質問にどう答える?
「大丈夫なんだ」と安心できることばかけを
自治体の子育て支援の一環として、多くの園では、在宅で子育てをしていて園には通っていない親子向けに、育児相談や園庭開放、交流保育、育児講座などを実施しています。普段かかわりのない保護者から相談を受けた場合、どんなことに気をつけて話をすればよいのでしょうか。
園に通っている子どもの保護者と、育児相談に訪れる保護者との違いは、保育者と保護者の間に信頼関係ができているかどうかです。園児の保護者の場合は、家庭環境や子どもの性格などがわかるため、質問に対して具体的な回答をすることができるでしょう。
一方、地域の保護者の場合は、初対面で相談されることが多いものです。家庭での様子もわからないため、はじめからあまりふみ込みすぎないようにしましょう。かわりに、保育者が子どもとあそぶなど、子どもとのかかわりのモデルを見せるとよいでしょう。
家庭でひとりで育児をしている保護者は、いろいろな悩みを抱え込み、不安を感じていることもあります。あれこれと理想的な育児方法を伝えるのではなく、「大丈夫」と安心できるようなことばかけを心がけましょう。
お話/小野崎 佳代先生(東京未来大学 こども心理学部こども心理学科 保育・教職センター 特任教授)
元東京都荒川区立保育園園長。現在は、保育者をめざす学生の育成にあたる。「子どもとことば研究会」会員。穏やかな語り口調で、心に残る的確なアドバイスをもらえると、学生の信頼も厚い。
イラスト/すずきもも