子どものつぶやきから考える保育
幼児期のいじわる
幼児期の“いじわる”は悪意によるものではありません
友だちのおもちゃを取る、仲間に入れないといった行為を、おとなは“いじわる”と捉えて問題視しがちです。しかし、幼児期に見られる“いじわる”の多くに悪意はありません。このような行為は、子ども自身の思いが受容されず、満たされないために起きることもあります。園では、子どもの心が満たされるようなかかわりを心がけつつ、保護者には、親子で向き合う時間をより多く持てるよう働きかけていきましょう。
また、このような理由がなくても、発達の一過程として“いじわる”が見られることも。子どもにはその成長過程で、「やりたい」「認められたい」「友だちより優位に立ちたい」といったさまざまな思いが育ちますが、それをまだうまくコントロールできないため、“いじわる”とも見える自分本位な行為をしてしまうことがあるのです。
お話/伊東俊樹(新潟県 みどり保育園 副園長・支援保育指導員・保育総合研究会 JAMEE.S 副委員長)
イラスト/鹿渡いづみ