そのとき園で何が起こったのか?
熊本地震ドキュメント
地震発生翌日
夜、起きた大地震。安否確認がとれない……
人員確保が困難ななか、一人ひとり電話をして園児の安否を確認に保育時間外に起きた地震の場合は、園からの安否確認だけでなく、保護者側から安否や避難場所を伝えてもらうことも必要となります。園は日頃から一斉配信メールや災害伝言ダイヤルなど、複数の連絡手段を整備するとともに、保護者と相互発信できる安否確認方法を確認、周知しておきたいものです。
地震発生~一週間
指定外の保育園も避難所になる
益城町の町立保育園では、地震発生直後から町立避難所として避難者を受け入れます。園長、主任保育者などは、公務員として別の町立避難所の運営にあたらなければならず、自分の園にはいられません。そのため、クラス担任などが自園の避難者への対応に直面することになりました。また、避難所には指定されていない私立の保育園にも、町民がつぎつぎに避難してきました。避難所としての指定のあるなしにかかわらず、災害時の避難者への対処法を全職員が共有しておく必要があるのです。
地震発生後一週間~二週間
日頃の保育の姿勢がそのまま災害時の力に
熊本地震を経て、自分の園ではどんな対策をすればいいのか、と不安を抱えている保育者も多いでしょう。しかし、日々子どもの命と向き合い、一人ひとりの子どもに合わせて、柔軟な対応が必要になる保育者の仕事は、そのまま災害時に求められる姿勢であるといえます。保育のなかで必要な判断力、柔軟性、包容力は災害時にも大きな力を発揮します。
お話・監修・写真提供 国崎信江先生