0・1・2歳児の保育
子どもが楽しむ生活発表会を
見せるものではなく、保育の延長と考える
まず、保育者が知っておきたいのは、「生活発表会」とは日頃の表現活動を見てもらう場であるということです。特別に見せるためのものではないため、わざわざ新しいことに取り組む必要はありません。子どもが「見てもらいたい!」と思う自発的なものであり、やらせるものではないのです。
決して、発表のための練習ばかりにならないように気をつけましょう。日頃の保育の延長にある活動だと、子どもたちがふだんどおりに楽しんでいる様子を保護者に見てもらえます。
日頃の表現活動にちょっと演出をプラスして
日頃の表現活動とはいえ、保護者に子どもの様子を見てもらう発表会なので、少し発表会仕様にアレンジしてみましょう。発表会前にちょうちょうの羽を作ったり、動物の耳をつけるなど、ちょっとした小道具を作るだけでも、子どもたちは発表会が楽しみになります。
2歳になると、保護者が見に来ていることがわかるのでがんばりますが、0・1歳児は慣れない舞台に上がると泣いてしまうこともあります。保育者はそれが当たり前だと思って受け止め、子どもに寄り添うことが大切です。
生活発表会に生かせるあそび
0・1歳児
舞台に上がると緊張するため、無理に参加しなくてもよいでしょう。子どもが嫌がらないようであれば、手あそびやふれあいあそびなど、ふだんの様子を見てもらいます。
2歳児
ごっこあそびが活発になる時期。ふだんのごっこあそびを劇あそびに発展させたり、わらべうたをみんなで輪になって歌ったりと、日頃楽しんでいる表現活動を見てもらいましょう。不安そうにしている子も、保育者が一緒に舞台に上がると安心できます。
監修/今井和子先生
二十数年間、世田谷と川崎の公立保育園で保育士として勤務。その後お茶の水女子大学などの非常勤講師、東京成徳大学、立教女学院短期大学教授を経て、現在、「子どもとことば研究会」代表。全国の保育者研修で講演などを行っている。
制作/佐藤ゆみこ 撮影/久保田彩子(本社写真部) 取材・文/吉野 玲