発達障害の基礎知識
発達障害にまつわるQ&A
Q1 発達障害は治るの?
特性はなくならないが、適切な支援で「軽減・改善」は可能
発達障害の原因は、先天的な脳の機能障害であると考えられています。風邪やケガのように薬や治療で根本的に“治す”ことはできません。しかし、適切なかかわりや支援を幼少期から重ねることで、発達障害によって子どもにもたらされる生活上の困難が軽減され、より充足した豊かな生活を過ごせるようになります。
Q2 診断がつくのは何歳くらいから?
小学校入学前くらいにならないと確定診断は難しい
抱きづらさや視線の合いづらさなどから、保護者が「発達に問題があるのではないか」と感じ始めるのは、早いケースでは1歳未満のこともあります。しかし一般的には、ことばの遅れや多動傾向が顕著になってくる3歳以降に疑問を感じるようになることが多いようです。しかし、乳幼児期は特に発達に個人差が出やすい時期であるため、診断を確定するのが難しく、医療機関などで診断が確定するのは、一般的に5〜6歳以降です。
Q3 発達障害は増えているの?
社会の関心が高まるにつれ認知度も上がり診断数が増えた
「発達障害」ということばが一般に広く知られるようになったのは2004年の発達障害者支援法ができた頃からです。その後、発達障害に対する社会の関心の高まりとともに、認知度も上がりました。昔も今も発達障害のある人は一定数存在し、その割合は大きく変わらないと考えられます。とはいえ、発達障害が広く知られるようになったため、少しでも不安があれば、子どもが小さいうちから医療機関や療育に相談する保護者が増え、その結果、診断数が増加したと考えられます。
監修/佐藤 曉(岡山大学大学院教育学研究科 教授)
文/森 麻子 イラスト/中小路ムツヨ