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保育のヒント

子どものウソとの付き合い方

子どものウソのタイプと対処法【1】

子どものウソのタイプと対処法【1】

ウソにもいろいろな種類があります。子どものウソがどのタイプか考え、それぞれに合わせて対処しましょう。

A 空想タイプ(上図)
3歳ごろの子どもは、まだ現実と空想の区別がついていないことがあります。そのため、まるで現実のことのように空想の話をします。決して「ウソをついて友達を驚かせよう、困らせよう」という意識ではないので、笑顔で見守りましょう。想像力の豊かな子どもほど多くなる傾向があります。

具体的に聞くことで想像力を伸ばそう
空想の話をすることは、子どもの想像力を育みます。空想のお話をはじめたら、「どんなお魚がいたのかな?」「捕まえられるかな?」と具体的に聞いてみましょう。このとき、「ウソだー!」「そんなわけないでしょ」と、子どもの世界観を否定しないように注意。保育者が子どもの世界観に入り話をすることで、子どもの想像力を豊かにすることができます。

 

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B 自慢したいタイプ
「ハワイに行ったんだよ!」「いいな〜」という友達の会話を聞いて、友達と張り合いたい、自慢したいなどの気持ちからウソをついてしまうケースです。空想と似ていますが、こちらはウソであると自覚しているので、具体的に聞くと子どもが戸惑うことがあります。3〜5歳ごろによくあるタイプのウソです。

自然にやめるときが来るので否定せずに受け流そう
ウソとわかっているのに「すごいね〜!」「本当に〜!?」と保育者が大げさに反応してしまうと、注目されたことが嬉しくて、もっとウソをつくようになる可能性があります。保育者は否定はせずに「そうなんだね」と受け流すようにしましょう。自慢タイプのウソは友達から「ウソでしょ!」と指摘されやすいもの。そのような経験を積むことで、自然と少なくなっていきます。

 

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C 要求を通したいタイプ
「食べたくない」「やりたくない」「あそびたい」など自分の要求を通したい、苦手なことから逃げたいとウソをつくタイプ。「必ずやらなければいけないこと」が何かわかっていないために、ウソをつけば自分の思い通りになるかもしれないと考えています。4歳ごろに多く5歳ごろから減っていきます。

やらなければならないことはしっかりと促すことが大切
やらなければならないことは、しっかりと指導しましょう。怒ったり、その子にだけ過度な対応をしたりせずに「ご飯を食べましょうね」「食べないとあそべないよ」と的確に状況を伝えていくことが大切。指導を受けているうちに、やらなければならないことを頭のなかで整理できるようになります。「ご飯を食べなければあそびには行けない」と理解できると、次第に減っていきます。

監修/植松紀子先生
臨床心理士。日本大学講師。神奈川県内の児童相談所や「こどもの城」小児保健部での勤務を経て、現在はアドバイザーとしてさまざまな保育園や幼稚園を回り指導を行う。

取材・文/香山倫子、服部啓一(KWC) イラスト/鹿渡いづみ

 

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PriPri プリプリ 2018年1月号

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