製作活動のつまずきの背景①
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手先の不器用さなどの理由から、発達に課題のある子が苦手意識をもちがちな製作。失敗が続くと、活動自体がいやになってしまうことも。手だてとあそびを取り入れた「やってみたい!」と意欲がわくアイデアを紹介します。 | |
「苦手」とひとくちに言っても、その背景には多様な発達障害の特性があります。どの部分が苦手か、なぜ苦手かを知り、支援に生かしましょう。 | |
発達の特性から、製作に必要な力が未熟な場合も 製作には、さまざまなねらいがあります。たとえば、素材の色や形、手ざわりなどを味わう、想像力や創造力を伸ばす、手先の器用さを育てるなどです。保育者の指示を聞いて行動する、友だちと協力し合うなどのねらいをもって、製作を行うこともあるでしょう。発達に課題のある子どもは、特性のためにそうしたねらいの達成が難しい場合が多いのです。 |
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製作には発達を促すさまざまな要素が もちろん無理強いする必要はありませんが、参加できれば、上記のねらいにあるような育ちにつながります。できる範囲で経験することが、子どもの世界を広げます。たとえば、折り紙を用いた製作で、思うように折れなくても、色の組み合わせを考えられれば、創造性を発揮できるでしょう。のりが直接触れなくても、ふでなどの道具を使えば、のりがくっつくという気づきは得られます。 |
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「楽しめる」より「いやにならない」を重視 子ども同士で育ち合う力も大きいものです。はじめは興味がもてなくても、みんなと一緒にその場にいれば、人への関心から活動への関心へと広がる場合もあります。楽しみながら経験できるのが一番ですが、それ以前に気をつけたいのが、子どもが「いやにならない」ようにすること。育ちのチャンスを失わないようにすることが大切です。一部分でも経験できれば、確実に子どもの育ちにつながります。製作が嫌いにならない支援と環境づくりを工夫していきましょう。 |
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教えてくれた人/札幌医科大学保健医療学部准教授 作業療法士 中島そのみ イラスト/macco 取材・文/こんぺいとぷらねっと |