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「発語がない」背景とは②

発達に課題のある子が抱えがちなことばに関する心配事に言語聴覚士がアドバイス。今号は、単語や文が出てこない「発語のない子」です。
ことばの遅れの要因はさまざま
「発語がない」背景は多様です。例えば声が聞こえない聴覚障害や、知的発達の遅れで理解できていない状態。また、音を作る器官に何らかの問題がありうまく声が出せない状態は、音声障害の可能性も。それから発達の個人差といわれる、単にことばの発達がゆっくりである状態も考えられます。
発達障害が関連する場合も
発達に課題のある子は、全体的な発達がゆっくりでことばにも心配事を抱えることが。特に、自閉スペクトラム症(ASD)には相互のコミュニケーションが苦手という特性があり、話しかけても無反応と思われる場合があります。
ことばを「話す」はすごいこと 
外国語の勉強を思い出してみてください。「りんご=apple」などのことばも、幼児期に習得した母語を持つ私たちは、それらを参照し、話せるようになります。しかしあかちゃんは、参照できる言語がない、いわば辞書が白紙の状態。習得の難しさがわかります。
発語がないと、ほかの子と比較して不安になりがちです。ことばを「理解できる」「話せる」のは、実は容易ではないことを心にとめておきましょう。
また、子どもは「コミュニケーションをとりたい」という動機をもち、大人や周りの子どもたちを模倣することでことばを学んでいきます。「ことばを話す」に至るまでに、いろいろなステップをふんでいます。下の項目でチェックしましょう。
「ことばを話す」前のチェックポイント
● 耳が聞こえる
● 言っていることがわかる
● ほかの人に対し興味がある
● マネができる
● 声を出せる
教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔
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PriPriパレット 2023年4・5月号

PriPriパレット 2023年4・5月号

20・21ページに掲載

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