「すぐに手が出てしまう子」への対応②
![]() |
|
---|---|
集団生活、とりわけ自由あそびの時間に見られやすい「すぐに手が出てしまう」子どもの姿。同じように見えても、特性や背景はさまざまです。この連載では、園での事例を取り上げ、支援のあり方を学びます。 | |
CASE 1
|
|
自由あそびの大枠を決めておく 自由あそびはルールや制限が少ないからこそ、トラブルも多くなりがちです。細かくルールをつくる必要はありませんが、大まかに場所のすみ分けができると、「ここは走らない」などの約束も受け入れやすくなり、安全に過ごせるでしょう。例えば、ブロックなど手先を使うあそびと、体を使うあそびの場所を離し、机や棚、マットなどを使って場所と活動をセットにする工夫があります。 興奮状態になったときに、クールダウンできる場所を用意することも大切です。 |
|
園での支援実例
|
|
“動”の刺激でまずは発散する Aさんは落ち着きがなく、たえず刺激を求めて走り回ってしまう姿が目立ちました。そこで“静”の活動に入る前に、ブランコなどの遊具や、おにごっこなどでたっぷり体を動かすことに。十分発散すると、感覚刺激が満たされるようで、落ち着いて過ごすことが増えました。 |
|
ほめるときはオーバーリアクションで Aさんは、動きを制止されたり叱られたりと、保育者とのマイナスな関わりが多くなっていました。そこで、気持ちの切り替えや、片づけができたときを見逃さずに、思い切りハグをしたりハイタッチをしたりと、オーバーリアクションでほめることに。望ましい行動とうれしい刺激をセットにしたところ、徐々にAさんの行動が変わってきました。 |
|
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美 イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/こんぺいとぷらねっと |