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支援のアイデア

「すぐに手が出てしまう子」への対応②

集団生活、とりわけ自由あそびの時間に見られやすい「すぐに手が出てしまう」子どもの姿。同じように見えても、特性や背景はさまざまです。この連載では、園での事例を取り上げ、支援のあり方を学びます。
CASE 1


衝動的に手が出てトラブルが絶えないAさん

常に落ち着きがなく、衝動的な行動が多い4歳のAさん。友だちがあそんでいるおもちゃに突然手を出して取り合いになるといったトラブルがよくあります。


自由あそびの大枠を決めておく

自由あそびはルールや制限が少ないからこそ、トラブルも多くなりがちです。細かくルールをつくる必要はありませんが、大まかに場所のすみ分けができると、「ここは走らない」などの約束も受け入れやすくなり、安全に過ごせるでしょう。例えば、ブロックなど手先を使うあそびと、体を使うあそびの場所を離し、机や棚、マットなどを使って場所と活動をセットにする工夫があります。
興奮状態になったときに、クールダウンできる場所を用意することも大切です。
園での支援実例
“動”の刺激でまずは発散する
Aさんは落ち着きがなく、たえず刺激を求めて走り回ってしまう姿が目立ちました。そこで“静”の活動に入る前に、ブランコなどの遊具や、おにごっこなどでたっぷり体を動かすことに。十分発散すると、感覚刺激が満たされるようで、落ち着いて過ごすことが増えました。
ほめるときはオーバーリアクションで
Aさんは、動きを制止されたり叱られたりと、保育者とのマイナスな関わりが多くなっていました。そこで、気持ちの切り替えや、片づけができたときを見逃さずに、思い切りハグをしたりハイタッチをしたりと、オーバーリアクションでほめることに。望ましい行動とうれしい刺激をセットにしたところ、徐々にAさんの行動が変わってきました。
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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PriPriパレット 2024年10・11月号

PriPriパレット 2024年10・11月号

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