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ルール・約束がわかる、守れる伝え方②

子どもたちが新しい環境に入る新年度。ルール・約束を自然に守ることで、みんなが安心して楽しく園生活を送れるようになるといいですね。大人の押しつけにならず、子ども自身が無理なくルール・約束を守れるようになるにはどうすればよいでしょうか。その伝え方とツールを紹介します。

ルールは楽しく肯定的に伝える

園が楽しく、毎日を過ごしたいような場でないと、そのルールを守ろうという気持ちになれません。園を居心地よく安心できる場にしたうえで、楽しくあそぶためのルール・約束を伝えていきます。

ルール・約束を伝える前に心得ておきたいこと


まずは、気のすむまであそべるようにする

子どもは、気の済むまであそんで満足すると気持ちが落ち着き、大人のことばが届きやすくなります。
また、園が楽しく大好きな場所となり、一緒に過ごす保育者との信頼関係も深まると、子どもが保育者のことばを聞き入れやすくなります。


大人が約束を守る

「ルール」「約束」ということばが、“大人から押しつけられた”“守れなくて叱られた”というネガティブな経験だけに結びつかないようにしましょう。子どもとの約束を大人が守る姿を見せて、約束は守るものだと伝えます。


ルール・約束は楽しさとともに身についていく

ルールは、子どもが園で居心地よく過ごすためのもの。園が楽しく、「ここで過ごしたい」と思える場所でなければ、子どもはルールを守ろうという気持ちになれません。そのため、子どもが気のすむまであそべる環境を整えたうえで、ルールを守る必要があると体感できるように伝えていくことが大切です。
肯定的でわかりやすいことばを使い、守れたときには楽しい遊びや子どもの好きなものをごほうびに取り入れます。子どもが「守ってよかった」と思えるように心掛けましょう。
\わかる! 守れる!/
伝え方のポイント
ルール・約束を子どもが理解できて、守れるようになるための効果的な伝え方を紹介します。
否定ではなく肯定で伝える
「◯◯をしない」と否定語で言われても、ではどうすればよいのか、子どもはわかりません。「廊下を走らない」ではなく「歩く」など、望ましいふるまいを具体的にことばにして伝えます。
<例>
● 「走らない」 → 「歩く」
● 「なかに入らない」 →「ここで止まる」
● 「はさみを出しっぱなしにしない」 →「赤い箱にしまう」
教えてくれた人/
岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉
イラスト/まつむらあきひろ 支援ツール制作/みさき ゆい
撮影/中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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PriPriパレット 2025年4・5月号

PriPriパレット 2025年4・5月号

4,8ページに掲載

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