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ルール・約束がわかる、守れる伝え方③

子どもたちが新しい環境に入る新年度。ルール・約束を自然に守ることで、みんなが安心して楽しく園生活を送れるようになるといいですね。大人の押しつけにならず、子ども自身が無理なくルール・約束を守れるようになるにはどうすればよいでしょうか。その伝え方とツールを紹介します。

何よりもまず伝える 命を守る「約束」

ルール・約束のなかでもいちばん大切なのは、子どもの命に関わる約束です。伝える約束の数を最小限に抑え、子どもがしっかり守れるようにします。

規律よりも前に、「約束」を伝える

ルール・約束には大きく分けて、集団生活をスムーズに送るための「規律」と、安全を確保するための「約束」の2種類があります。
「規律」とは、たとえば「並んで順番を待つ」「人の話を聞くときはおしゃべりをしない」など。集団生活を送るなかでくり返し経験し、ゆっくり身につけていけばよいものです。
一方、安全を確保するための「約束」は、自分や他者を心身ともに傷つけないためのものです。場合によっては命にも関わるため、何よりも先に子どもに伝え、守れるようにする必要があります。
子どもがしっかり身につけられるよう、「約束」は絶対に必要なものだけにし、数は最小限に抑え、どの子も必ず守れるように伝えていきます。
\自分も他者も傷つけないために/
約束が必要な場面
自分も他者も傷つけないために、約束が必要な場面を具体例とともに紹介します。子ども自身の安全の確保と生きものとの関わりについて徹底して伝えましょう。
安全の確保
集団生活のなかで、けがや事故を防ぐために必要な行動を伝えます。望ましいふるまいを具体的に伝えるとともに、その理由も説明し、子どもが納得できるようにしましょう。
● 廊下の歩き方
● 立ち入らない場所の確認
● 水あそびのルール
● はさみなど道具の使い方
● 交通ルール

「安全」を伝えるツール
安全に歩こう
お散歩約束絵本
散歩の約束や交通ルールを、楽しく伝える絵本。ミニサイズなら、ポケットに入れて持ち運びやすく、必要な場所で取り出して確認もできます。散歩は楽しむもの。「これはダメ」など指図や禁止にならないように、ストーリーで伝えるツールです。
教えてくれた人/
岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉
イラスト/まつむらあきひろ 支援ツール制作/みさき ゆい
撮影/中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年4・5月号

PriPriパレット 2025年4・5月号

4,14ページに掲載

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