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支援のアイデア

意図を伝えやすくする 視覚支援ツール

耳から入ることばの指示をすばやく理解できず、保育者が意図する行動を取れない子がいます。そのような子には、視覚支援を取り入れると、指示が伝わりやすくなることも。

カウントアップ
ボード

子どもに待ってほしいときは、「10かぞえるあいだ、待っててね」「10かぞえたら、〇〇くんの番だよ」などと声をかけ、数字をかぞえながら、矢印を1・2・3……と子どもが動かしていきます。
数をかぞえたり、矢印を動かせなかったりする子の場合は、保育者が一緒に数をかぞえながら矢印を動かしましょう。
しずかに
絵カード

保育者がくり返し「静かに!」と伝えても、おしゃべりが止まらない子や、注意がこちらに向かない子がいます。そのような子は、耳から入ることばの理解が苦手なケースもあるので、ことばで伝えるより、「しずかに」の絵カードを提示したほうが効果的な場合も。「今は静かにする時間」という状況がわかれば、それを理解して、おしゃべりをやめるなど、静かにすることができるようになります。

「静かに!」と大声で伝えるより、黙って絵カードを提示したほうが、子どもの注意を引きやすくなります。
相手の意図がわかれば、
子どもは正しいふるまいが
できるようになります

発達に課題のある子のなかには、保育者が「おどうぐ箱からクレヨンを出して」「帽子をかぶって、先生のところに集合」などとことばで指示を出しても、ぼんやりとして指示通りに動けない、という子も少なくありません。指示が理解できなければ、自分に求められているふるまいもわかりません。そのため、保育者の意図とは異なるふるまいや行動をしてしまい、叱られることが多くなりがちです。このような状況がくり返されると、自分はまわりの子と同じようにできない、といった劣等感を抱くようになる場合も。
指示の通りにくさは、耳から入ることばの意味を理解することが苦手という、発達障害の特性が関係しているケースが少なくありません。そのため、視覚優位の特性を活かし、絵や写真、文字などを使った絵カードで伝えたほうが、指示がスムーズに伝わりやすくなります。
保育者の指示や意図がわかれば、子どもは正しくふるまえるように。そうすると、自然とほめられる機会も増えてくるので、子どもは自信を持って生活できるようになります。
子どもが要求を伝えるための絵カード
 発達に課題のある子は、相手の意図を理解することだけでなく、「あれがしたい」「これが欲しい」といった思いや要求を人に伝えることも苦手です。自分の要求が通った、叶えてもらったという経験が少ないので、人への信頼が育ちにくく、また、欲求が満たされないため、気持ちも荒れやすくなります。そこで、絵カードを使って自分の要求を伝えられるようになると、保育者や友だちとのコミュニケーションがスムーズになり、思いの伝わらないフラストレーションが軽減されます。

「きがえを てつだってください」
自分で着替えられず困っていても、「手伝って」と言い出せない子も。この絵カードを使って助けを求めれば助けてもらえる、という経験の積み重ねが大切です。

「きゅうけいにいってきます」
集団活動に疲れを感じやすい子は、ストレスが高まると離席して注意を受けることも。そんなとき、この絵カードで意思表示できると、注意を受ける回数が少なくなります。
教えてくれた人/
岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉
イラスト/seesaw. 
絵カードイラスト/鹿渡いづみ 
支援ツール作成/みさきゆい
撮影/磯﨑威志(Focus & Graph Studio)
久保田彩子(世界文化ホールディングス)
取材・文/森 麻子
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