新一年生への引き継ぎガイド ②
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書類作成で大切にしたい 引き継ぎの視点 |
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「対応マニュアル」に ならないように注意! 子どものネガティブな側面に焦点を当てて対処法を書く「問題点モデル」の書類では「対応マニュアル」となりかねません。就学先の先生が、子ども自身を見ることなく対応する危険性があります。その子の積極的な姿を捉え、感性や思考を伝える「信頼モデル」の書類を作成しましょう。 |
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<信頼モデルの文例> 嬉しくなったり興奮したりすると、動き回りたくなります。授業中に席を立つかもしれませんが、それは授業が楽しいからで、授業に興味がないわけではありません。 |
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その子らしさが伝わる エピソードを具体的に 子どもの様子を伝える際、「優しい子」「表現力が豊か」などの抽象的な表現や、事実のみの列記では、どのような子なのかが相手に伝わりません。具体的なエピソードを絡めて書くと、そのシーンが思い浮かび、その子らしさがイキイキと伝わります。 |
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<「できた」「できない」ではなく、日々の保育の営みを伝える> 子どもの成長する姿をエピソードや写真で記録する「ラーニングストーリー」やクラス便りなどは、その子がどんな園生活を送ってきたかを伝えられるので、引き継ぎ書類としても活用できます。 |
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すぐには見えにくい一面や 長所を伝える 園で子どもにじっくり接してきたからこそ、わかることも。集団のなかでは気づきにくい個性や意外な一面、長所、子どもの学びなど、日々の保育で気づいたことを具体的に伝えましょう。就学先の先生が、その子をより深く理解するための手助けとなります。 |
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<長所がわかる文例> 活発なあそびを好む友だちといることが多いのですが、なかよしの友だちではなくても、つらい思いをしている子に気づくとその子を慰め、寄り添う優しい気持ちを持っています。 |
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就学準備では 応答的対話や自己肯定感の 高まる体験を 小学校で困らないよう、いすに長く座っていられるようにするなど、無理をするのではなく、まずは今の園生活を充実させることが最優先です。保育者との対話で、安心して自分の思いや考えを表出できる機会を設けたり、成功体験や達成感を味わえる活動で自己肯定感を高めたりすることが、就学後の学びの土台となります。 |
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育ちや学びをつなぐ 引き継ぎ書類 |
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<「エントリーポイント」を 見つけられる内容に> 子どもの「好き」や「得意」といった、その子が学びに向かう際のきっかけとなる、学びの入り口「エントリーポイント」。これがその子のどこにあるのかを、就学先の先生が見つけやすくなるような引き継ぎ書類を作成しましょう。 |
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=書類以外の引き継ぎ方法= 小学校への引き継ぎには いろいろな方法が 複数の関係者で行う引き継ぎ会議のほか、小学校へ園児を連れての見学や、小学生との交流会などを推進する自治体も。一方、決まった形式を持たない自治体もあります。左記のような引き継ぎ例も、参考にしてみましょう。 ●小学校の休み時間に、園児たちと校庭に訪問し、小学生とあそび体験を。小学校の特別支援教育コーディネーターの先生に支援を要する子の様子も見てもらいます。 ●対面での会議を行うのがむずかしい場合、担任同士のリモート面談を活用する自治体もあります。 ●小学校の先生に園を訪問してもらい見学してもらうことも。普段のその子らしい姿を見てもらうことで、望ましい引き継ぎが可能に。 |
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教えてくれた人/ 香川大学 教育学部 准教授 松井剛太 イラスト/中川視保子 取材・文/仲尾匡代 |

