保育に絵本を!
おはなし絵本でみんなと一緒に時間旅行へ
保育者の前に体を寄せ合って集まるひととき。絵本の扉が開いたら、そこは別世界! 体は保育室にあるけれど、子どもたちの心はみんな一緒に絵本の世界へ飛んでいきます。今日の行き先は、どこでしょうか? 江戸時代? 室町時代? はたまた、ベルサイユ宮殿が栄華を極めた時代のフランス、古代ギリシャ時代かもしれません。
確かに、それまでの保育時間とは違った時を感じ、それまでとは違った空気を吸い、パタンと裏表紙が閉じられた瞬間に、現実の保育室へと帰ってきたような、夢から覚めたような気分を味わうのです。
そのために保育者が配慮しなければならないことは、時間旅行の旅支度。それまでの活動に区切りをつけ、気持ちを切り替えて楽しめるように、トイレを済ませて期待して待てるように導きましょう。
読み方は、ゆっくりはっきり、全員が聞きとれる声の大きさで。そして、保育者自身がこの旅を楽しむつもりで臨むことです。ステキなツアーコンダクターになってください。
横山洋子
千葉経済大学短期大学部こども学科教授
幼稚園教諭、小学校教諭を17年間経験したあと、大学で保育者養成にあたる。著書に『保育の悩みを解決! 子どもの心にとどく指導法』(ナツメ社)、『私の保育総点検』(中央法規)など。