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誰もが主体的に
参加できる発表会とは?②

秋から冬にかけて開催される発表会。準備段階から当日まで、様々なシーンで、苦手を抱える子たちがいます。
そうした子たちも含めて、誰もが主体的に参加できる発表会にするにはどうしたらいいか考えます。
インクルーシブ的に発表会を捉える5つのポイント
1.当日のできばえよりもプロセスを重視して
発表会では当日の結果に目を向けがちですが、取り組むプロセスが重要です。気にとめたい「その子」も含む子どもたち全員で助け合い、葛藤もします。保育者は見守ったり助けたり……。このメンバーで積み重ねた「過程」こそクラスの財産です。各家庭に伝え、園内でも共有しましょう。
2.起こりそうなできごとのシミュレーションを
当日はいつもと様子が違い、ハプニングが起こることも。起こりそうなことを予想し、シミュレーションするとよいですが、「起こさない」対策もしておきましょう。準備しておくほど、当日はなんとかなるもの。子どもたちの日頃の助け合いの力が出たり、ハプニングから多くのことが学べたりもします。
3.子どもたち同士の育ち合いを大切に
これまで積み重ねてきた子どもたちの力を頼りにしましょう。その力で乗りきれることはたくさんあります。なかのよい子と一緒なら、気にとめたい「その子」もできるはず。子どもたちがつくる協働感が大切です。子どもたちと相談し、このメンバーだからこそやれるアイデアを見つけましょう。
4.うまくいかなかったことを失敗と捉えない
当日は想定外のことが起こり、失敗したと落ち込むこともあるでしょう。しかし本番ならではの手応えや驚きもあるはず。一人ひとり、これまでの過程を見返せば、必ず成長が確認できます。たとえうまくいかなかったとしても、そこには「何かしらの理由=次へつながる鍵」も必ずあるのです。
5.普段の保育を再確認する場に
特別な体験となる発表会では、普段と違う面もあらわれます。しかし、前日までの過程も当日のできばえも、日頃の保育からの発展です。子どもたちの支え合う力、アイデア、担任との関係、クラスの雰囲気、日々のあそび……。それらの積み重ねが、発表会の基盤となります。
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教えてくれた人/放送大学客員教授 太田俊己
イラスト/後藤美月 取材・文/仲尾匡代

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 秋号
36・37ページに掲載
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