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支援のアイデア

安心して参加できる! 遠足お楽しみ術①

初めての場所へバスなどで出かける遠足。いつもの園生活と異なる行事は見通しを立てるのが難しく、苦手に感じる子も。発達に課題のある子も安心して楽しめるよう、一人ひとりに合わせた支援のアイデアをご紹介します。
〝多様な経験に価値がある〟という意識を大切に
多くの子どもたちが楽しみでワクワクする行事、遠足。一方で発達に課題のある子は、普段の流れと異なる活動や初めての場所では、落ち着きがなくなったりパニックを起こしてしまったりすることがあります。バスに乗るのが怖い、どこへ連れて行かれるのだろうという不安を感じるなど、様々なケースが想定され、保護者が気兼ねして参加をためらう場合も。保育者としては、〝遠足はこうするもの〟という固定概念にとらわれすぎず、個々の特性に配慮し、安心して参加できるような工夫をする視点が大切です。
一番重視したいのは、子どもに多様な経験をさせてあげること。友だちと一緒に遠足に行けた、という経験は子どもにとっても保護者にとっても価値あるものになることでしょう。ここでは、そのための対応のポイントを紹介します。
ポイント1 "いつも"を取り入れた活動を
遠足だからと、目的地で特別なことをしなくてはならないわけではありません。通常の保育で楽しんでいるあそびや、お気に入りの絵本を持参して読むなど、〝いつも"の活動を取り入れることが心の安定につながります。
ポイント2 事前に家族で行ってみてもらう
"初めての場所は新鮮で喜ぶ"がすべての子にあてはまるわけではありません。特に発達に課題のある子にとって、未経験の場所は不安が先行しがち。事前に家族で目的地に行ってもらうと、遠足当日「来たことがある場所だ」と安心できます。
ポイント3 目的地よりもあそびや友だちにフォーカス
遠足でどこへ行って何をするかを理解してもらうよりも、大好きな友だちと一緒に行けることや、いつものようにあそべることを伝えて。その方が感覚的に理解しやすく、気分がのることがあります。
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教えてくれた人/岡山大学大学院 教育学研究科教授 佐藤 曉
イラスト/山内和朗
取材・文/柴 茜

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 秋号
30・31ページに掲載
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