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どう育てる? 自己肯定感

「できた」という達成感が自己肯定感を育む
自己肯定感は挫折感につながる失敗体験からは育ち得ません。幼少期から、チャレンジしたら「できた」という体験を積み重ねることで育つものです。発達の偏りとは、できることとできないことが極端に生じるものなので、定型発達児を基準にした保育の中では、できすぎることは退屈で、できないことは苦痛になります。そのつらさを保育者に受け止めてもらえなければ、子どもの自己肯定感が下がりやすくなります。
自己肯定感を育てるには下の5つの条件が必要です。
●幼少期からの励まされる経験の積み重ね
●興味・関心・好奇心にもとづく自己選択・自己決定
●自分の存在を無条件に受け止めてくれる他者の存在
●成功体験に伴う達成感
●できたことへの周囲との共有感や共感性
よく「自己肯定感は自信を育てることが大事」といいますが、一歩間違えると「優越感」を育ててしまいかねません。優越感は簡単に劣等感に転化します。なぜなら、両方とも他者との比較でしか自分を測れないからです。対して、自己肯定感はその子の心に育つ絶対値です。自分を測る物差しと人を測る物差しは表裏一体で、自己肯定感が低い時、まわりに対して否定的な言動が出てトラブルになることもあります。子どもの自己肯定感を育むには、どうぞ、保育者自身も自己肯定感を大切にしてください。
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教えてくれた人/療育塾ドリームタイム主宰 作業療法士 木村 順
イラスト/killdisco
構成・文/江頭恵子

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 秋号
13ページに掲載
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