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支援のアイデア

一貫した支援のために
「引き継ぎ」の視点

発達に課題のある子の育ちは、保護者をはじめ、保育者や学校の先生、医療・福祉の専門家など、多くの人に支えられています。
そして、進級や就学など、子どもの育ちの〝節目〟は、周囲の環境が変わる節目。それまで積みあげてきた子どもの育ちと支援の手だてを、次のステージへとつなげていくために必要な〝引き継ぎ〟について考えていきましょう。
子どもの将来を見据え、一貫した支援をつなぐ
発達に課題のある子の支援を考える際、大切にしたい2つの視点があります。ひとつは、「今、子どもは何に困っているのか」という視点。この視点から、子どもが今現在、直面している困りごとに対する直接的な手だてを考えることができます。そしてもうひとつは、子どもの将来像を見据え、長期的なスパンで考える視点です。将来、「自分の得意なことや好きなことを見つけて、心豊かに暮らしてほしい」「必要な支援を得ながら、自立した生活ができるようになってほしい」といった、目指す子どもの将来像を見据えることで、その目標のために子どもに身につけてほしい「力」や、その力を育てるために必要な「手だて」が見えてきます。将来像から逆算して、その時々の子どもの発達段階に即した支援を考えることで、子どもは、どのライフステージでも一貫した支援を継続して受けやすくなります。
必要な情報を引き継ぎ支援を積みあげる
発達に課題のある子は、幼児期から成人期に至るその時々のライフステージにおいて、園や学校、医療、福祉など様々な機関の支援を得ながら人生を歩んでいきます。
そのようななか、将来を見据えた一貫性のある支援を重ねていくためには、支援者間の情報共有と引き継ぎが不可欠です。どんな力を育てるために、どんな手だてやかかわりを行ってきたのか――それまでの子どもの育ちと支援を、次のステージへとつないでいくことが大切です。
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教えてくれた人/岡山大学大学院 教育学研究科教授 佐藤 曉
イラスト/角 裕美
取材・文/森 麻子
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掲載されているのは

PriPriパレット 2021冬号

PriPriパレット 2021冬号

28・29ページに掲載

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