〝困った〟を軽減する環境設定
園は、多様な子どもたちが共に育ち合う場所。みんなが安心して過ごすために、子ども目線での環境整備が必要です。環境設定において心がけることとは何でしょうか。 | |
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1.子どもを主語にする 子どもへの支援で注意すべきことは、保育者の思いが先走らないようにすることです。保育者が「〇〇ができるようになってほしい」と願っても、子ども自身が「〇〇したい」と思わなければ、逆効果になる場合もあります。 子どもが「できた!」という成功体験を積み、「やってみたい」と思えるように、子どもを主語にして環境を整えることが大切です。もし支援がうまくいかないのなら、その方法がそのときの子どもの状態に合っていないのです。保育者は子どもの言動を観察し、気持ちを想像しながら支援の手だてを考えましょう。 |
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2.ほかの子との差を埋めようとしない ほかの子どもたちとの発達の差を縮めなくてはと思っていませんか? ほかの子どもたちに追いつくことを目標にすると、子どもに無理を強いることになりかねません。楽しくなければ、子どもは「やってみたい」と思えないので、ますますその行為を嫌がる場合も。 大人だって誰かと比べられたら楽しくありません。子どもも同じです。ほかの子どもたちと同じようにさせたいと支援グッズを用いるのではなく、その子の成長に焦点を当てましょう。必要なときにはどんどん手伝って構いません。その中で子どもができたことを認めていくほうが、結果的に自立へとつながりやすくなります。 |
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教えてくれた人/チャイルドフッド·ラボ代表理事 藤原里美 イラスト/坂本伊久子 |