保護者との距離を縮める 個人面談②
保育者と保護者の相互理解と連携は、発達に課題のある子の支援に欠かせない重要なファクター。一対一でじっくり向き合える個人面談で、保護者との関係を一歩も二歩も前進させてみませんか? | |
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保護者の複雑な思いに寄り添って たとえ毎日のように顔を合わせる保護者でも、改まった席でふたりで話をする個人面談では緊張する保育者も多いようです。しかし、保護者の緊張は、保育者以上。子どもの発達に不安がある保護者は、「何を言われるんだろう」「自分の子育てを批判されるのでは」と複雑な思いで面談に来る人もいます。また、このような保護者は、園以外の場所でも、子どものことでつらい経験をしてきていることがあります。保護者のそんな心情や背景にも思いを馳せ、面談では不安を和らげたり、苦労をねぎらったりして心をほぐす対応を心がけましょう。子どもの気になる様子を伝えることも大切ですが、そればかりでは保護者の心は折れ、保育者の印象が悪くなることも。年度はじめの面談は、子どもの発達の懸念や支援の必要性を伝える場としてより、互いの信頼を深めるコミュニケーションの場、関係づくりの場としてのぞみましょう。 |
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保護者との距離を縮めるための 3つの心得 | |
心得1 否定しない 保護者の考えや行動を「それはだめ」と言ったり、子どものことを「○○ができない」「みんなと違う」と話したりするのは控えましょう。保護者は、自分の子育てや、子どものことを否定されたと感じ、心を閉ざしてしまいます。 |
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心得2 押しつけない 保育者は、保育の知識と経験から、保護者に適切な助言をすることが望まれます。しかし、両者は子育てのパートナーであり、対等な立場。「教える」ではなく「提案」の心持ちで、押しつけの対応にならないようにしましょう。 |
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心得3 焦らない 保育者と保護者の関係がまだ十分ではない最初の面談で、子どもの気になる様子をあれこれ伝えるのは控えましょう。保護者の心証を害し、その後の支援を難しくしてしまう場合も。焦らず、しっかりと関係を築いてからアプローチを。 |
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教えてくれた人/学校法人神戸学園 神戸幼稚園 園長 千代田正美 イラスト/ZUCK 取材・文/森 麻子 |