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運動会のつまずきって?②

園の花形行事、運動会。子どもたちみんなが、「楽しかった、またやりたい!」と思える行事にするには、どうしたらいいのでしょう?導入から運動会後の振り返りまで長い期間で運動会をとらえ、行事につまずきやすい子でも無理なく参加できる秘訣を紹介します。
練習のつまずきをなくすことにも目を向ける
行事に参加するのが苦手な子のために配慮したいのが、本番に至るまでの期間です。発達に課題のある子は本番だけでなく練習も苦手で、参加を渋る子もいます。本番でのつまずきの原因と同様、練習に参加しない子の根底には、いつもと違う状態への戸惑いや不安があります。運動会の練習が始まると、練習時間確保のために、普段と活動の流れが変わったり、運動会の道具を置くために物の配置が変わったりします。特に子どもを混乱させるのは、保育者の動きの変化です。合同練習では他クラスの保育者が加わったり、担任の保育者が自分の近くにいない時間が増えたりする場合もあります。こういった「違い」が不安となって、練習に参加できないケースも。その子なりの参加で無理なく行事を楽しめるように、本番前の練習のしかた、進め方にも目を向けていくことが大切です。
子どものつまずきや困難さの背景にあるもの
普段と違うことへの恐怖感
運動会は本番だけでなく、練習の場面も普段の保育とはさまざまな面で異なります。練習期間中は、練習時間を確保するために一日の生活の流れも変わるでしょう。保育者や周囲の子の「がんばらなきゃ!」という熱気も、発達に課題のある子にとっては慣れない刺激となり、不安をかき立てる原因となります。
集団での活動が苦手
集団に入らない、集団から外れてしまうなど、発達に課題のある子は集団活動が苦手なことが少なくありません。友だちが何をしているのかがわからない、これからすることの見通しがつかないなど、子どもによって理由はさまざまです。人の多さに圧倒され、不安やストレスを感じる子もいます。
感覚の過敏性
発達に課題のある子は、音や光などの刺激に敏感なことが多く、一般的な育ちの子には気にならない程度の刺激を、非常に不快なものに感じている場合があります。運動会のように、子どもにとって慣れない環境で不安感が強い場合は、いつも以上に刺激に対する過敏性が強く現われる傾向があります。
教えてくれた人/
岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉
イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/森 麻子
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掲載されているのは

PriPriパレット 2023年8・9月号

PriPriパレット 2023年8・9月号

21・22ページに掲載

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