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どうしたら語彙が増える?②

ことばが少ない、二語文が出ないといったお悩み。そんな子に、保育者はどうかかわればいいのでしょうか。言語聴覚士がお答えします。
語彙の少なさの要因はいろいろ。子どもの様子から見極めて
ことばの数が少ない主な要因は大まかに3つ。まずは子どもの様子を見ることから。
身体機能の未発達や課題
語彙の習得は、子どもが周囲のことばを聞き、真似ることから始まるので、聴力は語彙の獲得に大切です。保育者のことばかけに反応が薄いなど、耳の聞こえに不安があるときは、保護者と相談して病院での検査を検討しても。また、口の動きが未熟で出せる音が少ないと、語彙が増えにくいです。そのような子には、食べこぼしなどが見られることもあります。
他者に向かう意識の少なさ
ことばの発達は、他者の存在に気づき、興味を持つことが土台になります。そのベースになるのは、自分と他者、自分と物といった「二項関係」の成立。1対1でやり取りして信頼感を育んだり、物への興味・関心を抱いたりします。そしてやがて特定の人、物への意識が芽生え、自分・物・他者の「三項関係」が成立します。他者が指さした物を見て、ことばで伝え合う「共同注視」が可能に。
言語理解の弱さ
ことばの発達は、「理解」→「表出」の順で進みます。その意味を理解して初めて、場面に合ったことばを発することができるのです。そのため、知的な遅れなどでことばの理解が難しいと、語彙があまり増えません。話しことばだけで指示が伝わるか確認すると、言語理解の指標になります。
教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔
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PriPriパレット 2024年4・5月号

PriPriパレット 2024年4・5月号

31ページに掲載

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