もしかして睡眠障害かも?①
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いつもイライラしていて怒りっぽく、落ち着きがないなどといった子どもの様子の背景には、実は睡眠障害が潜んでいることも。子どもの生活に深刻な影響をもたらす睡眠障害について伺いました。 | |
発達に支障をもたらす睡眠障害 子どもの睡眠には休息に加え、シナプスをつないで脳の神経回路を作る、成長ホルモンを分泌して体の成長を促すなど重要な役割があります。そのため、睡眠が不足すれば、脳や体の発達に支障をきたすことに。日中は常に機嫌が悪く、友だちとのトラブルが絶えない、集中力散漫で活動に興味を示さないなど、発達障害の特性によると思っていた姿が、実は睡眠障害による睡眠不足から生じていたというケースもあります。生活や発達に様々な支障をもたらす睡眠障害。その問題点や改善法について理解を深めていきましょう。 |
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発達障害と睡眠障害の関係は? |
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睡眠障害と発達障害の合併率は高い 子どもによく見られる睡眠障害には、不眠症や過眠症、体内時計が乱れて極端な遅寝遅起きになる概日リズム睡眠障害のほか、夢遊病や夜驚症(睡眠中に突然、叫び声をあげて目を覚ます)といった就寝中の異常行動があります。睡眠障害は、睡眠時間の不足、睡眠の質の低下、睡眠のリズムの乱れを招き、生活に様々な支障をもたらします。特に子どもの睡眠は、脳や体の成長にも関わるため、良質な睡眠が取れないことは発達上の大きな問題にもなります。 また、睡眠障害は発達障害との合併率が高いことが知られています。一般的な育ちの子で睡眠障害のある子の割合はおよそ10~30%ですが、注意欠如・多動症(ADH D)で35~70%、自閉スペクトラム症(ASD)では44~83%という報告もあります。しかし、睡眠障害があるからといって、必ずしも発達障害というわけではありません。 |
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昭和大学医学部小児科学講座 教授 昭和大学横浜市北部病院 こどもセンター センター長 池田裕一 イラスト/前田はんきち 取材・文/森 麻子 |