My Wonder あなたの保育をサポートする

支援のアイデア

睡眠の質を高めるためにできること

睡眠障害の改善には、睡眠習慣を含めた生活習慣全般の見直しが大切です。そして、その見直しには、園と家庭の連携も欠かせません。園と家庭で共有したい生活習慣の見直しポイントを紹介します。
園と家庭で


毎日、同じ時間に起床・就寝する

睡眠障害によって夜間の睡眠が不足すると、日中の生活に支障が生じてしまいます。そんな睡眠障害の改善には、うまく眠れるような睡眠環境と睡眠習慣を整えることが必要ですが、それらはすべて、「規則正しい生活」の上に成り立ちます。起床や就寝はもちろん、食事や入浴、散歩や午睡なども毎日同じ時間に行い、生活のリズムを一定にすることで体内の生体リズムを整えることが大切です。

家庭で


朝起きたら、太陽の光を浴びる

太陽光が目に入ると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌量が減り、すっきりと目が覚めます。またメラトニンは、太陽光が目に入ってから約15時間後に分泌されるため、起床後すぐに太陽光を浴びると夜は寝付きがよくなり、睡眠の質も向上します。特に概日リズムがずれやすいADHDの子には、起床の1~2時間ほど前から寝室に太陽光を入れることで、リズムのずれを調整することができます。

園と家庭で


日中は活発に体を動かす

良質な睡眠は、眠りにつく前に深部体温が下がることで得られるようになります。そのためには、日中、活発に体を動かして、深部体温を上げておくことが大切です。さらに、日中に太陽光をしっかり浴びると、セロトニンという神経伝達物質の分泌量が増えることがわかっています。このセロトニンが日中、十分に分泌されると、夜間のメラトニン分泌が増えて、ぐっすり眠れるようになります。

昭和大学医学部小児科学講座 教授
昭和大学横浜市北部病院
こどもセンター センター長 池田裕一
イラスト/前田はんきち
取材・文/森 麻子
お知らせカテゴリー

この記事が詳しく
掲載されているのは

PriPriパレット 2024年8・9月号

PriPriパレット 2024年8・9月号

51,54ページに掲載

詳細はこちら

関連キーワード