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ことばの育ちが遅い子の食事②

ことばの発達に課題のある子は、偏食や丸のみなど食事に関する困りごとも抱えることがあります。関連はあるのでしょうか。言語聴覚士がお答えします。

偏食対応の基本は「食べられるものから少しずつ」

苦手なものを無理に食べさせられるのは、食事自体の拒否につながります。まずは何が食べられるのかの把握が重要です。そこから、どんな要因が苦手につながるのかを推測し、その原因を取り除いたり、代替品を用意したりするなどの対応を。また、食事の安心が保障される環境づくりも大切。限られた食べものでも食事自体を楽しめるようになれば、次第にほかの食べものに興味を持てる場合も。

食べられる食材リストを作る
家庭と協力して情報を共有し、食べられるものの把握からスタート。
食材の元の形を絵カードで見せる
調理での食材の形の変化が苦手につながる場合も。見た目が変わっても同じ食材だとわかるように、絵カードで示します。

咀嚼を引き出して丸のみを防ぐ

筋肉の低緊張で、舌に力の入りづらい場合に丸のみになりやすいです。「かみかみしてね」など声をかけて咀嚼を引き出しましょう。また、ひとくちの量が多い、姿勢が不安定で咀嚼できない場合や、食事が好きで早食いしてしまうケースも。子どもがひとくち飲み込んだら、「次は何を食べようかな」と声をかけて間をつくったり、鏡で口の中が空っぽになる様子を見せたりする方法も有効です。

姿勢を安定させる手だてを
足の裏が床に着いていることが大切。背もたれと体の間にクッションなどをはさみます。
咀嚼を意識できるような関わりを
「かみかみしてね」のことばかけや卓上に絵カードなどを置くことで、咀嚼を促します。
教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里
取材・文/オフィス朔
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PriPriパレット 2024年8・9月号

PriPriパレット 2024年8・9月号

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