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支援のアイデア

「すぐに手が出てしまう子」への対応③

集団生活、とりわけ自由あそびの時間に見られやすい「すぐに手が出てしまう」子どもの姿。同じように見えても、特性や背景はさまざまです。この連載では、園での事例を取り上げ、支援のあり方を学びます。
CASE 2


相手の気持ちを考えられず自分の興味で動くBさん

友だちが使っているおもちゃを取ったり、作った積み木を崩したりと、自分の気持ちのままに行動する5歳のBさん。友だちの気持ちに気づけずに、泣かせてしまうこともあります。


集団で過ごすことにこだわりすぎない

興味のままに友だちのものを取ったり、気になった友だちに執拗に関わる子どもがいます。好きなあそびが見つからないときなどは、手持ち無沙汰から特定の子に気持ちが向きがちで、トラブルにつながりやすくなります。
このようなケースでは、みんなと一緒に過ごすことにこだわらず、子ども同士の距離を取って安全を確保する必要があります。その子のペースで活動に参加できるよう、時間や内容、座る場所を決めるなど、個別で対応しましょう。
園での支援実例
今あそべるものを視覚化
自由あそびでは無秩序に人が動くなど刺激の多いなかで、あそびたいものを見つけられず、友だちのなかに入っていき、手を出してしまうBさん。そこで、おもちゃの写真をボードに貼り、「今あそべるもの」を見てわかるようにして、Bさんが選んで、保育者に伝えることに。保育者とのやりとりが増え、保育者もBさんの気持ちをくみとりやすくなりました。
あそびのバリエーションを増やす
Bさんは、ひとりであそびを展開できますが、なかなかあそび込めない様子でした。まずは、本人が興味を示していた人形あそびやブロックあそびを、保育者が隣に座って一緒に楽しむようにし、いろいろなパターンをつくって、あそびのバリエーションを増やしました。
安全拠点をつくる
Bさんは、集団のなかで十分にあそべず、友だちのおもちゃを取ってしまうなどの行動につながっていました。そこで、パーテーションを使ってBさんが安心できる居場所をつくり、みんなの様子を見ながらひとりで過ごせるように。参加できそうなときは加わり、ひとりになりたいときは自分の居場所で過ごしています。
公認心理師、臨床発達心理士 白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ
取材・文/こんぺいとぷらねっと
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PriPriパレット 2024年10・11月号

PriPriパレット 2024年10・11月号

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