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支援のアイデア

行事参加を避ける保護者①

みんなで同じ動きをすることが多い行事は、それが苦手な子の発達の特性に目を向けざるをえない場合が。行事を敬遠する保護者の気持ちを想像し、対応を考えます。
うまくできない子どもの姿や、ほかの保護者の目が気になるなど、ネガティブな気持ちになっていることが。保護者の思いを受け止めて対応を。
対応のコツ
保護者の話をよく聞き、参加を押しつけない
保護者がその行事の何にネガティブな気持ちを持っているのか、まずはよく話を聞いてみます。保育者がよかれと思って、「◯◯ちゃんは頑張っているので、絶対に参加してほしいです」などと伝えると、そのことばが心の負担になることも。子どもを参加させたくない自分はダメな保護者だと感じて、さらに落ち込んでしまう可能性があるので注意します。
対応のコツ
無理をせず、安心して参加できる方法を提案する
「参加できそうな演目だけでも大丈夫ですよ」「練習では大きな声で応援しているので、応援席でみんなの応援をするのはどうですか」など、その子に合わせた参加の仕方を提案し、保護者と話し合いましょう。ほかの保護者の視線が気になる保護者には、室内から観覧するなどの提案をしても。子どもも保護者も安心できる参加方法を見つけましょう。
保護者の複雑な思いを理解し、不安を取り除いて
発達に特性がある子どもの保護者が、園行事に子どもを参加させたくないと思う心理は、過去の行事で苦い経験や不安があり、それを避けたい気持ちから生まれることが多いです。「子どもがうまくできないのを見るのがつらい」などのほか「クラスの子に申し訳ない」「ほかの保護者の目が気になる」「見に来た祖父母に何か言われるのが嫌」なども考えられます。
その保護者の気持ちに共感したうえで、参加してほしいという保育者の気持ちを伝え、参加への壁になっているのは何か、どうしたら安心して参加できるかを相談しましょう。例えば、子どもは部分的に参加する、保護者には個別の観覧場所を設けるなど、いろいろな方法があります。また、予想される子どもの行動に対する保育者の対応を伝え、「それなら子どもを参加させられそう」と安心できるように、保護者の不安を解消していきましょう。
教えてくれた人/筑波大学名誉教授 徳田克己
イラスト/コウゼンアヤコ
取材・文/小栗亜希子
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PriPriパレット 2024年10・11月号

PriPriパレット 2024年10・11月号

58,59ページに掲載

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