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支援のアイデア

「外国ルーツ」の子の発達障害①

保護者が外国出身の子どもを指す「外国にルーツがある子」。気になる様子から発達障害の可能性を考えるべきか迷うことも。ことばや文化の違いをこえて、支援への橋渡しをする方法を考えます。
令和4年3月に文部科学省が発表した学齢相当の外国人の子どもの人口調査の、令和元年度と令和3年度の数字を比較すると、9480名増えています。使用言語もポルトガル語、中国語、フィリピノ語、スペイン語、ベトナム語など多様です。同じ国・地域出身者が同じ地域に集まって居住する集住化は減少傾向にあり、散在化が進んでいます。これらの背景から外国にルーツがある子どもの支援は、一部の地域の園の課題ではなくなっています。
たとえば外国にルーツがある子どもに気になる様子が見られても、保護者は障害の可能性に気づかないことが。それが発達障害であっても相談機関を知らない保護者もいます。そのため、保育者は発達障害の可能性を見逃さず、特性に気づいたら支援への橋渡しをすることが大切です。
適切な支援につなげるために
発達障害のサインをキャッチしよう
外国にルーツがある子に、気になる様子が見られると捉え方に迷うことがあるでしょう。行動を見る視点を紹介します。

発達障害の特性はどの国の子も同じ

発達障害の特性により表れる特徴的な行動は、ことばや文化、習慣の違いなどに左右されません。言語を問わず下記の様子が見られたときは発達障害の可能性を踏まえ、園では早期にその子に合ったサポートを行いつつ、支援につなぐ方法を考えましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)
[特 性]
❶コミュニケーションの困難さ
❷こだわりの強さ
❸感覚過敏・感覚鈍麻がある

たとえばこんな様子
●視線が合わない
●模倣をしない
●相手の気持ちを読み取ることが苦手
●ひとりあそびが多く、友だちへの関心が薄い
●特定のものに詳しく、強い興味を持つ
●目の前で手をひらひらさせたり、くるくる回るなど、同じ行動をくり返す
●過度な偏食がある
●音に敏感 など
注意欠如・多動症(ADHD)
[特 性]
❶注意が散漫
❷落ち着きがない
❸衝動的な反応・行動をする

幼児は発達の特性の有無に関わらず上記の姿が見られるものですが、発達に特性がある場合は、これらがいつでも・どこでも半年以上継続して見られます。
たとえばこんな様子
●物をなくしやすい
●絵本の読み聞かせ、製作など、座って活動する最中に立ち歩く
●友だちを急に叩いてしまう
●保育室から急に出ていく など
教えてくれた人/
児童精神科医 豊田市福祉事業団理事長 髙橋 脩
イラスト/ひしだようこ
取材・文/麻生珠恵
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PriPriパレット 2024年10・11月号

PriPriパレット 2024年10・11月号

51,53ページに掲載

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