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支援のアイデア

「外国ルーツ」の子の発達障害②

保護者が外国出身の子どもを指す「外国にルーツがある子」。気になる様子から発達障害の可能性を考えるべきか迷うことも。ことばや文化の違いをこえて、支援への橋渡しをする方法を考えます。
ことばの心配どう考える?
「日本語の語彙が少ない」「話しかけても返事がない」など子どもに気になる様子が見られると、見守ってよいのか、支援が必要なのか迷うことも。気になることばの悩みに答えます。
Q1 ほかの子に比べて語彙が少ないのは、発達障害ですか?
A
周りの子と比べて日本語の語彙が少ないと心配することもあるでしょうが、バイリンガルの子どもの語彙は、第一言語と日本語を合計して考えましょう。日本語の語彙が少なくても、第一言語の語彙が豊かならば発達上の心配はいりません。
日本語での日常会話の習得は、日本に来て2年程度はかかると考えてください。
Q2 話さないのは、場面緘黙?
A
第一言語で流ちょうに会話ができるようになった4歳以降に日本に居住した場合は、保育者や友だちが話しかけても無言のままという子がいます。そうした様子が続くと場面緘黙を疑うこともあるでしょうが、慣れない環境に戸惑っているのかもしれません。自然なことなので半年ぐらいは様子を見ましょう。慣れてくると話すようになっていきます。
Q3 バイリンガルで発達障害の特性がある場合、言語発達への影響は?
A
自閉スペクトラム症(ASD)では言語発達の遅れもよくありますが、二言語を使うバイリンガルだからといって、一言語だけを使う子より言語発達の遅れがより著しくなることはありません。
ほかのバイリンガルの子と同じように、家庭では第一言語で、園では日本語で話す対応をして構いません。
Q4 日本語の誤りは、どのように教えたらよい?
A
言い間違いなどは周りの子どもと同じように教えましょう。たとえば「ごちそうさま」を「ごちさま~」と言い間違えたときは、「違うよ!」と間違いを指摘する必要はありません。その子の目を見ながら「ごちそうさま」とさりげなく言い直してあげればOKです。そうした関わり方をくり返すことで、正しい日本語を自然に覚えていきます。
教えてくれた人/
児童精神科医 豊田市福祉事業団理事長 髙橋 脩
イラスト/ひしだようこ
取材・文/麻生珠恵
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PriPriパレット 2024年10・11月号

PriPriパレット 2024年10・11月号

51,55ページに掲載

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