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支援のアイデア

生活習慣の自立を促す絵カード①

基本的な生活習慣の獲得は、子どもの自立の第一歩。しかし、なかには生活習慣がなかなか身につかない子もいます。そのような子が生活のなかで無理なく、楽しく生活習慣を習得できる支援について紹介します。

家と違っても大丈夫! トイレ

園のトイレは一般的な家庭のトイレよりも広い上に、たくさんの便器が並んでいます。自分の家のトイレとは造りや雰囲気がまるで違うため、トイレに行くのをいやがる子も少なくありません。トイレに子どもの好きなキャラクターの壁面飾りやマークを貼るなど、楽しい空間づくりを心がけましょう。

男子用小便器に慣れてきたら、ズボンをおろさずに排尿する方法も練習開始。その際は、ズボンをはいたままお尻を出さずに排尿する男児の絵カードに貼り替えましょう。

[ 転がすタイプ ]
着替えの動作を順番に示した4枚の絵カードを4面に貼った手順書ツール。床に置いて、上面の絵を見ながら着替え、ひとつの動作が終わるたびにツールを転がします。最初は、「次は何をするのかな?」と声をかけながら、保育者がツールを転がすとよいでしょう。

着替え
着替えの途中で集中力が途切れてしまい、最後まで着替えられない子や、次に何をしてよいかわからずに手が止まってしまう子には、着替えの手順を示した〝手順書ツール〟を用意しましょう。
ツールの形態は、「転がすタイプ」や「めくるタイプ」など様々なスタイルに応用が可能です。その子に合わせた使いやすい形態のものを用意するとよいでしょう。

食事
みんなで気持ちよく食事をするためには、守るべきルールやマナーがあります。それを理解していても、楽しくなって興奮し過ぎたり、ついうっかり忘れてしまったりして守れない場合は、絵カードを使うのが効果的です。絵カードを見ることで、みんなの前で保育者に注意されなくても、自分でルールやマナーを思い出すきっかけになります。
姿勢
食事中にひじをついたり、横向きに座ったりしているときには、姿勢の絵カードを見せて「どっちがいい姿勢?」と問いかけましょう。よい姿勢と悪い姿勢の絵を見比べることで、どんな姿勢をすればよいのか気づけるように。

配膳
トレイの上に拡大コピーした絵カードをのせておくと、皿を置く場所がわかり、配膳がスムーズに。園の食器やメニューに合わせた絵カードを用意しましょう。
佐藤先生から
絵カードにシールを貼る〝お楽しみ〟をつくることで、食事への意欲が増すこともあります。「ごはんを食べたら、シール」「おかずを食べたら、シール」と、残さず食べられた皿の絵の上に好きなシールを貼っていきましょう。シールを貼る楽しみができることで、食事中の立ち歩きや食べ残しが少なくなります。
教えてくれた人/
岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉
イラスト/seesaw. 
絵カードイラスト/鹿渡いづみ 
撮影/磯﨑威志(Focus & Graph Studio) 
取材・文/森 麻子
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年6・7月号

PriPriパレット 2025年6・7月号

22,24ページに掲載

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