生活習慣の自立を促す絵カード②
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日々の体験を通じて 生活習慣を楽しく 身につけられる援助を |
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生活習慣は、くり返しのなかで自然と身についていくもの 基本的生活習慣とは、毎日くり返し行うことで身につく生活の基本行動で、「食事・トイレ・睡眠・着替え・清潔」の5つがあげられます。生活に必要なこのような活動を、子どもが自分でできる力を身につけられるように、家庭や園では、個々の子どもの発達に応じた適切な援助をくり返し行うことが必要です。 そして、この時期の子どもには、基本的生活習慣を「教える」というスタンスではなく、保育者や友だちと生活するなかで、様々な体験をくり返しながら、子どもが自然と楽しく身につけていけるように関わり、援助していくことが大切です。 |
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発達に課題のある子は生活習慣が定着しにくい 生活習慣の獲得や自立の時期は、個人差が大きいものですが、とりわけ発達に課題のある子の場合は、時間がかかる傾向があります。生活習慣が定着しにくいのは、発達障害ならではの特性が関係する場合があるので、子どもが何につまずいてできないのかを探りながら、その子がわかるように援助していくように心がけましょう。その際、役にたつのが絵カードを利用した支援ツールです。行動の流れを視覚化することで、子どもにとってわかりやすい援助が可能になります。また、ただ絵カードを見せるだけでなく、できたらシールを貼る、カードをめくるなど、支援ツールのスタイルを工夫することで、子どもが楽しく生活習慣を身につけていく助けにもなります。 発達に課題のある子に限らずすべての子に言えることですが、生活習慣の獲得には、子どもの成長を見守る保育者のあたたかい姿勢や、優しい関わりが不可欠です。特に生活習慣の定着に時間のかかる子には、小さな成長を一緒に喜びながら、おおらかな気持ちで根気よく関わっていくことが大切です。 |
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生活習慣が定着しにくいのはなぜ? 発達に課題のある子の特性について、佐藤先生に聞きました。 |
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感覚過敏は、好き嫌いの原因にも。においに敏感な子はトイレに行くのをいやがることもあります。 じっとしていることが苦手なので、食事のあいだきちんと席に座っているのが難しいことも。 見通しを持って行動することが難しいので、園では保育活動の流れが身につきにくい場合もあります。 |
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教えてくれた人/ 岡山大学学術研究院 教育学域教授 佐藤 曉 イラスト/seesaw. 絵カードイラスト/鹿渡いづみ 撮影/磯﨑威志(Focus & Graph Studio) 取材・文/森 麻子 |