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支援のアイデア

トイレ動作 紙巻き・下衣の動作

子どもがトイレをいやがる背景には、狭い場所での服の着脱の難しさやトイレットペーパーがうまく巻き取れないといった理由があります。それぞれの動作が身につくあそびで、苦手を克服していきましょう。
難しい複合動作もひとつずつ
トイレで排泄できることは大切ですが、その場所へ行くこと自体をいやがる子もいます。それは、においや雰囲気だけでなく、狭い空間での動作がじょうずにできないことが要因の場合があります。
狭い空間でズボンやパンツを下げて便座の中央に座ることや、トイレットペーパーを巻き取っておしりを拭くなど、排泄には複数の動作が必要です。発達に特性のある子のなかには、体幹が弱くバランスが取りにくいためにうまく座れなかったり、手や指に力が入らず、トイレットペーパーを巻き取れない場合があります。これらの動作のうちひとつでもうまくできないと、排泄全体が難しいと感じてしまいかねません。
トイレでの失敗は、いやな思い出として残りやすく、その後さらにトイレに行くのを渋るようになるケースも。その子の苦手を見極め、支援していきましょう。
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トイレで排泄するのに必要な動きは、上の図のようなピラミッド構造で段階的に習得されます。第1段階では立つ・座る、また狭い場所での方向転換の動きが必要に。第2段階ではズボンやパンツを膝まで下げる、上げるなどの動作、第3段階では便座の位置やトイレットペーパーの位置を見て捉えることなどが必要になります。第4段階として、それらの複合的な動作を考えて行うことが大切です。排泄の失敗からやる気を失う場合もあるため、まずは複合動作のどこが苦手かを確認して、ひとつずつ苦手な部分を無くしていきましょう。段階の低いところから始め、できたときに「できた!」という達成感を得ることで、次のステップへの意欲につながります。
トイレットペーパーの巻き取りや、ズボンの上げ下げにアプローチしたあそびをご紹介します。

あそび以外でも

トイレットペーパーがちぎれない場合は
新聞紙を机に横向きに置き、1枚を横からめくるように引っぱってちぎると、トイレットペーパーをちぎる練習に。何度もくり返しやってみましょう。
教えてくれた人/作業療法士 笹田 哲
イラスト/祖敷大輔 支援ツール制作/くるみ れな
撮影/中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/大口理恵子
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年6・7月号

PriPriパレット 2025年6・7月号

28,30,32ページに掲載

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