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支援のアイデア

食事動作が苦手な子への対応①

食事の時間に食べこぼしたり、座っていられなかったりするなど食事の動作が苦手な理由には、体幹の弱さや不器用さが背景にある場合があります。その子にとって何が苦手なのかを見極めて、あそびのなかで楽しく身につけていきましょう。
段階を踏んでステップアップ
発達に特性のある子は、体幹の弱さや手指の不器用さ、口周りの筋力の弱さから、座っていられない、食具がうまく使えない、しっかり噛んで飲み込めないなど、食事がスムーズにいかない場合があります。
食事動作は、4段階で構成されています。まず土台となるのは第1段階の「姿勢」です。その上で、第2段階の「食具の操作」が必要になり、第3段階の「目と口の動き」へとつながります。そして最も大切なことは、各段階が相互に関連し、動作がスムーズになることで、第4段階の「自分で食べたい」という意欲が持てることです。
これらの食事動作は無理に教え込むのではなく、あそびを通して楽しみながら自然と身につけることで、食事への意欲につなげていけるとよいでしょう。
【第1段階】姿勢を保つ
食事において姿勢は大事な土台です。座位姿勢には体幹やバランス感覚が必要となり、それができていないと、背中が丸まる、肘をつくなどで、じょうずに食事ができません。体幹やバランス感覚を養うあそびで、姿勢を保つ力をつけましょう。
\姿勢が保てないのはなぜ?/
⚫︎体幹の筋力が弱い
⚫︎足が床についていない
⚫︎姿勢を保つバランス感覚が弱い
はいはいで体幹を養う
急がずゆっくりはいはいすることで、体幹が鍛えられます。できる動きから、いろいろな高さのはいはいで段階的に行いましょう。首はしっかり上げて前を見ます。
ねらい⚫︎体幹の筋力を鍛える
⚫︎姿勢を保持する
⚫︎首を上げる力をつける
あそびで動作アップ!
なりきり! 
ペンギン歩き・忍者歩き

つま先立ち、かかと立ちができるようになったら、歩いてみましょう! つま先歩きは忍者になったつもりで、かかと歩きはペンギンになったつもりで、どちらもゆっくり歩きます。
教えてくれた人/
作業療法士 笹田 哲
イラスト/たにざきまほ 
撮影/五十嵐 公
磯﨑威志(Focus & Graph Studio)
中島里小梨(世界文化ホールディングス)
取材・文/大口理恵子(P.4〜21)
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掲載されているのは

PriPriパレット 2025年10・11月号

PriPriパレット 2025年10・11月号

4,14,16,18,20ページに掲載

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