ネガティブことばと向き合おう
ポジティブことばが飛び交うクラスにする方法
保育者の普段のことばかけから注意して
子どもたちのネガティブことばを減らすためには、まず保育者のことば遣いを見直してみることが必要です。「やめて」「うるさいな」「じゃまだよ」「◯◯くんはいつも遅いよね」と無意識のうちに自分がネガティブことばを使っていないか、日頃の保育を振り返りましょう。
そして、もうひとつ注意したいのが、子どもを褒めすぎること。「◯◯くんは偉いな〜!」「◯◯ちゃんはすごいね〜!」などと褒めることで子どもたちのなかで優越感と劣等感が生まれ、トラブルが起きる原因に。保育者は褒めるのではなく、「ありがとう」「うれしい」と感謝や感情を伝えることが大切。そのようなことばは、子どもたちに優劣をつけるものではないからです。
注意するときも同様に「そんなことするのは、悲しいな」と気持ちを伝えることがおすすめです。
ネガティブことばが多い子は保護者にも聞き取りをしよう
ネガティブことばが多い子は、心が不安定になっている可能性があります。まずは保育者が子どもと二人きりになって「なんでそんなことばをたくさん言ってしまうのかな?」と優しく聞きながら、話してみるようにしましょう。
また、家庭でネガティブことばが飛び交っていて、その子自身が傷ついている場合もあります。子どもと二人で話したあとに、保護者にも聞き取りをしてみるとよいでしょう。必要に応じて、あまりそのようなことばを使わないように保護者にお願いしましょう。
監修/植松紀子先生
臨床心理士。日本大学講師。神奈川県内の児童相談所や「こどもの城」小児保健部での勤務を経て、現在はアドバイザーとしてさまざまな保育園や幼稚園を回り指導を行っている。
取材・文/香山倫子(KWC) イラスト/山口まく