子どもを伸ばす絵本保育
0・1・2歳児の育脳におすすめの絵本
4つのポイントを踏まえ、0・1・2歳児の脳を育てるのにおすすめの絵本を紹介します。
【ポイント1】0・1歳児には視覚を刺激するものを認識する力が育つ色・形がはっきりしたもの
『なーんだ なんだ』(童心社)
カズコ G. ストーン 作
ページをめくるごとにパンダが少しずつ姿を現します。パンダのパーツが徐々に見えてくる様子に子どもは大喜び! 「なーんだなんだ」と繰り返されるフレーズも楽しい一冊です。
『おにぎり ころころ』(岩崎書店)
トモコ=ガルシア 著
“ぽよ~ん”“ぴょこ”など、オノマトペが子どもをワクワクさせる絵本。写真を加工したおにぎりの形や鮮やかな色が、子どもの心をつかみます。
【ポイント2】ものを認識する力が育つ抽象的な絵の本
『いない いない ばあ』(童心社)
松谷みよ子 文 / 瀬川康男
抽象的なタッチで描かれる動物たちの「いない いない ばあ」で、楽しみながらそれぞれの動物を認識していきます。50年以上愛され続けている名作。
『ことばのえほんー1 ぴよぴよ』(くもん出版)
谷川俊太郎 作 / 堀内誠一 絵
「わんわん」などオノマトペだけでつづられたヒヨコの冒険物語。イマジネーションが刺激されるカラフルな絵とイキイキと響く音が心地いい絵本。
【ポイント3】自由な発想を促して脳を刺激する文字がない絵本
『うたがみえる きこえるよ』(偕成社)
エリック・カール 作 / もりひさし 訳
名作『はらぺこあおむし』の著者による絵本。バイオリニストが奏でる音がさまざまな色になっていくストーリー。色彩が豊かで視覚も刺激されます。
『あめふり』(偕成社)
まついのりこ 作・絵
雨に喜んだり、慌てたりするカエルやテントウ虫を描いています。雨の音や、動物の表情から感じたことを子どもと表現しあってみてはいかがでしょう。
【ポイント4】2歳ごろには想像力と理解力を育む簡単なストーリーの本
『うみ ざざざ』(くもん出版)
ひがしなおこ 作 / きうちたつろう 絵
初めて海を体験する男の子の気持ちや砂浜の様子を描いた物語。「すなが しろい」など、短い言葉で展開される話は、子どもの脳の発達を促します。
『おばきゃー!』(世界文化社)
藤本ともひこ 著
シンプルで大胆なイラストが子どもの興味をひきつけ、脳を活性化させます。子どもと一緒におばけを探してドキドキワクワクしながら楽しみましょう。
本誌では脳が育つ絵本の読み聞かせのポイントを交えながら詳しく解説しています。
お話/成田奈緒子先生(日本小児科学会認定小児科専門医・発達脳科学者。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授)
イラストレーター/ゼリービーンズ 文・構成/池上裕美(KWC)、阿部菜美子