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子どもを伸ばす絵本保育

子どもの脳を順番に育てることが大切な理由

子どもの脳を順番に育てることが大切な理由

前述の3つの脳は、大きく成長する順番が異なります。最初に発達する「からだの脳」は、食べる、寝る、動くなど、生命維持に必要な動作をつかさどる、生きるために重要な部分。早寝早起きなど規則正しい生活習慣を覚えるのもこの脳で、五感にさまざまな刺激を与えることで発達します。

1歳前後になると「からだの脳」の土台が固まりはじめ、次の「おりこうさんの脳」が発達しはじめます。これは、話すのに必要な言語機能や、手足を使った微細運動、論理的に物事を考える思考力などをつかさどる部分です。ここがしっかり育つと、勉強ができたり、楽器がじょうずに使えたりします。

最後に、10歳ごろから「こころの脳」が大きく発達しはじめます。この脳は、人を傷つけるような衝動的な行動を抑え、相手を思いやるなど、社会性のある対応ができるようになる部分です。

そして、0・1・2歳の時期にもっとも大切なのは、「からだの脳」をしっかり育てること。賢い子にしたいからと「おりこうさんの脳」の育成に力を入れてしまいがちですが、脳の基盤となる「からだの脳」ができていないと、バランスが崩れてしまいます。「からだの脳」をしっかり育てながら「おりこうさんの脳」をバランスよく発達させることで、将来、「こころの脳」をすこやかに育てることができるのです。

育脳にいい絵本を選んで保育を充実させる
絵本は子どもが興味のあるものを読むことが基本ですが、脳への刺激をより強くするなら、次の4点を意識して絵本を選びましょう。

1つめは、色・形がはっきりしたもの。認識しやすい色や形で描かれている絵本は、視覚を刺激するため、「からだの脳」の育成に効果が期待でき、0・1歳ごろの子どもに特におすすめです。

2つめは、抽象的な絵のもの。たとえば、同じゾウでも作者によって描き方が違います。タッチの違うさまざまな絵本を子どもに読むことで、子どもはその多様性を徐々に受け入れられるように。多面的にものを認識する力を養います。

3つめは、文字がない絵本。読むたびに新しい発想ができ、自分で考える力を育むことができます。

最後は、一文が短く簡単なストーリーの本。物語を追う理解力を養っていきます。2歳ごろから、より積極的に取り入れるといいでしょう。

本誌では脳が育つ絵本の読み聞かせのポイントを交えながら詳しく解説しています。

お話/成田奈緒子先生(日本小児科学会認定小児科専門医・発達脳科学者。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授)
イラストレーター/ゼリービーンズ 文・構成/池上裕美(KWC)、阿部菜美子

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PriPri プリプリ 2019年8月号

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79ページに掲載

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