<クリスマスの ちいさな おはなし>の新刊が発売! 訳者が語るシリーズの魅力
銀箔加工が美しく、定番となった絵本<クリスマスの ちいさな おはなし>シリーズ。 2020年秋、待望の新刊『ねずみくんの クリスマスの おうちさがし』が刊行されました。子どもたちに愛されている理由を、訳者の木原悦子さんにうかがいました。 |
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クリスマスの絵本として多くの子どもたちをワクワク、ドキドキ、ハラハラさせ、人気となったシリーズ。イギリスの作家レベッカ・ハリーが描くこのシリーズの共通点は、ひとりさびしく登場するおさない主人公が、やがて友たちを得て、にぎやかなクリスマスを過ごし楽しく幕を閉じる……というところにあります。ハラハラしながらページをめくって読み進めたおさない読者に、主人公の安堵感が伝わるからでしょう。作者のレベッカ・ハリーはイギリスのウェールズ地方に住む、ふつうの家庭の、ふつうのママです。絵が得意ということだけは特筆すべきでしょうけれど、そんなママがわが子の手を引き、近場の小さな公園を散歩しながら、気持ちだけ、森の奥へ奥へとさまようのでしょうか?森はふしぎな世界です。こんなすてきな絵を描くレベッカでなくてもイマジネーションをかき立てる空間です。風が木の葉を揺すり、木の葉は季節の移ろいにつれて色を変え、さみどりは濃さを増し、やがて枯れる……枯れ葉は風に飛ばされて落ち葉となる……。 |
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<最新刊>2020年11月6日発売 『ねずみくんの クリスマスの おうちさがし』 絵/レベッカ・ハリー 訳/木原悦子 |
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ねずみのアロンくんは、クリスマス・イブに、こずえの森にやってきました。この森でおうちをさがしたいのです。森のなかをさがしまわりますが、気にいったおうちが見つかりません。夕ぐれが迫っています。 急いでいるアロンくんに、きつねさん、うさぎさん、くまさんからお手伝いを頼まれます。 (ぼく、いそがしんだ!)大丈夫かな、アロンくん……。ハラハラ……。ドキドキしますね。 でも、だいじょうぶ! アロンくん、どんなクリスマスを 迎えるのでしょうか。 |
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<「クリスマスの ちいさな おはなし」シリーズ既刊紹介> |
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ゆきうさぎのピートくんは、ひとりで森のおくに住んでいました。雪が大すきでしたから、朝からの雪にうかれています。でも、ちょっとさびしくて…… サンタさんにお願いしたのです。「ぼく、友だちがほしいです」と。 (えっ、そんな願いごと、かなうの?) 「ほかにはなにもいらいらないよ」というのですから、ちょっと切ないな。この手紙をピートくんはサンタさんに届けるために、 地図をたよりに森をあるいていきます。 雪みちはキラキラ。星空もキラキラ。ピートくんの心にも しだいに明かりがともり…… サンタさんは、ピートくんの お願いを かなえてくれるでしょうか。 |
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『ゆきうさぎの おくりもの』 絵/レベッカ・ハリー 訳/木原悦子 |
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ゆきうさぎのピートくんは、森のおくに住んでいますが、ひとりぼっちではありません。なかよしの友だちがいます。ねずみさん、こぎつねさん、こぐまくん。雪の日だって赤いマントをまとって外に飛び出します。 あそび友だちが待っています。雪なげも楽しい、そりあそびもゆかい……。ところがみんな弱虫なのかな? 風がつめたくなったといって、逃げるようにおうちに帰ってしまう、ねずみさん。 お日さまがかげってきたといって、泣きべそをかいておうちにかえってしまうこぎつねさん。 てっぺん山までいっしょにのぼってきたこぐまくんも、「さ、さ、さむいよ! おうちへかえる!」といって、かえってしまいました。 ピートくんはひとりぼっち。さあ、ピートくん、どうした? |
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『きつねくんの もりの おともだち』 作/ティモシー・ナップマン 絵/レベッカ・ハリー 訳/木原悦子 |
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きつねのハリーくんには森のなかまがたくさんいます。 でも、みんな、いま、冬じたくにおおいそがしです。あそんでばかりいられない季節があるのでした。 「お日さまが、カンカン照っているうちにあそぼうよ」と、ハリーくん。 冬がきたら、ハリーくん、どうなっちゃうのかな?おうちはどうするの? ながい冬のあいだ、たべるものはどうするの? たくわえがなくて、いいのかな?ハリーくんはなかまのことばに耳をかしません。「冬になったら、この森、ひとりじめさ!」 冬にそなえて、はたらくなかまをよそ目に……。ところが ところが、冬がきました。 ハリーくん、雪のなかでブルブルふるえています。ハリーくんはひとりぼっち。「ああ、みんなのいうこと、きいておけばよかった……」 |