心と脳を育む運動発達
年齢別 0・1・2歳児の運動発達
0歳児
乳児期の運動発達は、新生児期の反射運動に始まり歩行運動へと集約されていきます。そのプロセスにおいて、手、足、体幹のばらばらだった動きが、中枢神経系の成熟とともに、まとまりのある動きとなります。
例えば指しゃぶりは、手が自分の体の一部であることを認知する行動で、手と口の協応運動となり、脳の発達を促します。指しゃぶりは否定せず、存分にやらせるとよいでしょう。
また、はいはいで自由に移動できるようになって始まる探索活動では、安全を確保し、その動きを妨げないようにしましょう。
1歳児
歩けるようになると、移動運動に伴う能力や体のバランスを保持する能力が発達。行きたいところに自由に行ける喜びは、自我の芽生えや独立心につながります。動き回りたいという欲求を十分に満たしましょう。
また、手が自由になることから微細運動が発達し、モノを操作する動きもじょうずになります。いたずらに見えることも探索活動のうち。好奇心を十分に満たすことは、子どもの意欲を育みます。
また、2歳近くなると走るようにも。追いかけっこなどで、たくさん走る機会をつくりましょう。
2歳児
歩く、走り回るといった基本的な運動能力や、体のバランスを保持する能力が高まり、くぐったり、とんだりといった様々な動きであそびを楽しめるようになります。
すべりだいやブランコなどの遊具あそびにも興味を示し、それがさらに運動能力を発達させることに。
「できた!」という自信から自発的な運動も盛んになりますが、この時期はまだまだ大人に体を動かしてもらう受動運動が大切な時期。ダイナミックな動きで楽しみを十分に味わえると、さらなる運動意欲につながります。
お話・監修/今井和子先生
二十数年間、世田谷と川崎の公立保育園で保育士として勤務。その後、お茶の水女子大学などの非常勤講師を経て、東京成徳大学、立教女学院短期大学教授を務める。現在「子どもとことば研究会」代表。全国の保育者研修会で、講演などを行っている。
写真/磯﨑威志(Focus & Graph Studio)