発達に課題のある子への手だて
見てわかる環境づくりのヒント
ビニールテープが座る場所の目安に
子どもたちに集合をかけるときなど、「集まって」「ここに座って」といった指示を出すことがあります。しかし、このような指示ではどこに集まったり、座ったりするのかがわからず戸惑う子もいます。左の写真は、床にビニールテープをライン状に貼ることで、子どもの座る位置を示したものです。このような目印があることで、子どもは自分がどこに座ればいいのか、を視覚的に捉えることができるようになります。
落ち着きがなくじっと座っていられない子に
保育者の話を聞くときなど、じっといすに座っていられず、横座りをしたり、足をふらふらさせたりしてしまう子には、うわばきの絵カードを床に貼り、話が終わるまで、足をのせておくように伝えます。短い時間からはじめ、できたら「まっすぐ座っていられて、かっこよかったよ」などとほめましょう。
うがいをした水をまき散らさないように
うがいをした水を口にため、不適切な場所に吐き出して床や洗面所を濡らしてしまう子がいます。そのようなときは、「そんなことをしたらだめ」と行動を咎とがめるのではなく、具体的にどこに水を吐けばよいのかを伝えることが大切です。洗面のボウルに★マークを貼り、「ブクブクをしたら、口の中の水は★の上に出してね」と伝えます。
取材協力/岡山市役所 保育・幼児教育課、クレアナーサリー市ヶ谷 取材コーディネート/佐藤 曉(岡山大学大学院教育学研究科 教授)
撮影/磯㟢威志(Focus & Graph Studio) 取材・文/森 麻子 イラスト/中小路ムツヨ