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支援のアイデア

「不安が強い子」への対応②

園で見られる子どもの困っている姿。同じように見えても、背景や特性は様々で、必要な支援も異なります。この連載では、園での事例を取り上げ、支援のあり方を学びます。今回は「不安が強い子」です。
いつもおどおど不安そうなAさん
発達がゆっくりな4歳のAさん。集団活動の一斉指示では友だちのペースについていけず、いつもどこか不安そうです。活動中に座り込んでしまうこともあります。
何をすべきかわからなくて不安に
発達がゆっくりな子どもは、理解や動作のスピードがゆっくりなために、友だちのペースについていけないことがあります。保育者の指示をすぐに理解できず、なにをしてよいかわからなくて不安を感じる場合もあるでしょう。
保育者は、クラス全体への指示の後、個別に声をかけて理解をサポート。ゆっくりでも、その子のペースで理解し、動けるように支援します。「自分でできた!」という経験や達成感が、不安の軽減や意欲につながります。
園での支援実例
個別の声かけ
クラス全体へ向けた話などは、話すペースが速かったり、内容量が多いと理解が追いつきません。個別の声かけを心がけ、抽象的な表現を避けて、数や固有名詞を用いたことばで、短く具体的に伝えました。イメージをもちやすくするために、絵や写真を使うなど、その子が理解しやすい方法も工夫しました。
支度専用スペース
朝の支度などは、情報や周りの刺激を整理し、集中して取り組めるように、専用の場所を用意しました。自分のペースで進められるようにしたことで、保育者が一部を手助けしながら、「自分でできた!」と達成感が得られた様子。できることを少しずつ増やしながら、自信をつけていく支援を大切にしています。
選べる絵カードと できたねシール
自由あそびやトイレなど、自発的な行動が求められると、どうしたらよいか、誰になんと言ったらよいかわからないAさん。あそびの種類やトイレなどのカードを用意し、選べるようにしました。慣れてくると、自分でカードを見せて、気持ちを伝えられるように。モチベーションアップに「できたねシール」も有効です。
教えてくれた人/
公認心理師、臨床発達心理士
白馬智美
イラスト/ナカムラチヒロ 取材・文/こんぺいとぷらねっと
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掲載されているのは

PriPriパレット 2024年4・5月号

PriPriパレット 2024年4・5月号

36-39ページに掲載

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