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支援のアイデア

発達障害の子向け
サッカー観戦交流イベント

発達障害があり、飛行機に乗ることやスタジアム観戦が難しい子ども達を対象としたユニバーサルツーリズムの取り組みをご紹介。社会に広がる支援の輪をレポート!
安心して観戦&体験できる環境を準備して開催
発達障害のある子ども達が、サッカー観戦と教室を体験するこのツアーは、2019年夏に始まりました。JTB、ANA、富士通、川崎フロンターレの4社と川崎市が協働。「えがお共創プロジェクト」と命名され、現在は川崎フロンターレが事務局に。2019年の「川崎フロンターレ対大分トリニータ戦」では、大分の子ども達が飛行機やバスを乗り継ぎ川崎市の等々力陸上競技場を訪れました。ツアーで大事にされたのは、感覚過敏や不器用さを持ち、環境変化が苦手な子どもたちが、安心できる環境を準備することでした。
観戦には応援合戦などの大音声が苦手な子に配慮し、普段VIPルームとして使う部屋を用意。一角には気持ちを落ち着けたいときに入ることができるカームダウンスペースを設置しました。
社会の環境が変われば体験の場がどんどん広がる
翌日には同じく川崎市にある麻生グラウンドで、サッカー体験教室を開催。活発に動ける子、不器用さがある子など、さまざまな特性の子が集まりましたが、普段から特別支援学校の児童の指導も行うコーチたちは、一人ひとりの子の特性に合わせて、ゆっくりとプログラムを進行。子どもたちは生き生きとサッカーを楽しみました。
子どもたちが落ち着ける環境を用意すること、そして、一人ひとりに合わせた関わりをすることは、保育にも通じること。発達障害のある子ども達は、苦手意識を持ちやすく「できないからやらない」「怖いから行かない」となり、経験の幅が狭くなりがちです。でも、このツアーのように、周囲が理解し、環境や関わり方に配慮すれば、子どもたちはのびのびと体験の幅を広げていけるのですね。
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取材協力・写真提供/川崎フロンターレ
取材・文/江頭恵子

この記事が詳しく掲載されているのは
PriPriパレット 夏号
40ページに掲載
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