やめたいのにやめられない
強迫性障害①
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手洗いがやめられない、なんども確認してしまう……。あるイメージや行動にとらわれ、その不安を解消するために同じ行為をくり返す強迫性障害。保育における子どもとのかかわり方を考えてみましょう。 | |
強迫性障害は、ある特定の考えにとらわれ(強迫観念)、その恐怖や不安を打ち消すために、特定の行為をくり返し自分に強いる(強迫行為)こと。原因ははっきりとはわかっていませんが、ストレスをきっかけに発症することが多いといわれます。 くり返す行為は、自閉スペクトラム症(ASD)の特性のひとつである、強いこだわりに起因するものと、表面的にはよく似ています。しかし、ASDのこだわりが、ルーティンをくり返して安心するための行為であるのに対して、強迫性障害は、不安や恐怖にかられてやめられないことを苦痛に感じている点で大きく異なります。 特に未就学児の場合、強迫行為を苦痛に感じていても、それを言語化して伝えることができません。保育者は、くり返される子どもの行為が、安心するためにしている場合と、やめられずに困っている場合の、2つがあることを理解しておきましょう。 ※強迫性障害はASDと併発することも多く、この場合強迫行為がどちらに起因するかの見極めは困難です。 |
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教えてくれた人/帆足暁子 イラスト/川合翔子 取材・文/岡田 望 |