愛着障害の理解と対応①
養育者との不適切なかかわりで安定した愛着形成ができず、情緒面や対人関係に問題を抱える愛着障害。どのように対応するべきか、保育における子どもとのかかわり方を考えてみましょう。 | |
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愛着障害とは、養育者との間で安定した愛着が形成されず、子どもの情緒や対人関係に課題が生じる状態です。乳幼児期に虐待を受けたり、不安を受け止めてもらえなかったりなど、マルトリートメント(子どもへの避けたいかかわり)を受けて育つことが原因で発症します。攻撃的、わざと人の嫌がることをする、よく知っている人にもかかわらず近づかない、見慣れない人に過度にくっつくなど、人との適切な距離がとれない行動があらわれます。 注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの特性とは原因が違うので区別されますが、愛着障害を併発することも少なくありません。ADHD傾向の子どもは友だちを突き飛ばすなど、衝動性由来の行動で叱責されがちです。ASD傾向の子どもは自分視点の一方向性でかかわる特性から、養育者との間でさえも良好な関係を築きにくいためだと考えられます。愛され守られる経験がないために、問題を抱えている子どもの行動を理解して対応しましょう。 |
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4/19公開の「愛着障害の理解と対応②」で、愛着障害の子どもに対する保育者のかかわり方を紹介します。 | |
教えてくれた人/帆足暁子 イラスト/川合翔子 取材・文/こんぺいとぷらねっと |