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支援のアイデア

「視覚過敏」とは?①

視覚は、外界から約80%もの情報を取り込むといわれています。したがって視覚過敏があると、目から多くの正しい情報が得られなかったり、日差しや光の反射が、つらい、痛いと感じたりすることも。視覚過敏がある子の支援について考えます。
ほかの特性と間違われやすい視覚過敏
視覚過敏とは感覚過敏の一種で、目から入る情報の処理をする視覚の働きに何らかの問題があり、光や色などの刺激を人よりも強く受けてしまうという過敏症です。見え方などには個人差があります。
視覚過敏があると、強い光を避けるためにひとりで行動する子もいるため「お友だちとあそべない」「集団行動が苦手」と勘違いされることもあります。また、文字の読み書きに困難さを抱える場合もあり、知的な遅れや学習障害と混同されるケースもあります。このように視覚過敏は、ほかの特性と間違われやすいのが課題といえるでしょう。
子どものサインに大人が気づかないことも
就学前の子どもは、ことばの発達の過渡期です。表現力が未熟なため、まぶしくても(光が)「痛い」「チクチクする」などと伝える子もいて、「何が痛いのか?」「何がチクチクするのか?」がわからず、まぶしさが原因と大人が認識できないことがあります。
視覚過敏を抱える子どもの行動には、いくつかの特徴があります。子どもの様子が気になるときは、左下表の「6つのサイン」でチェックしましょう。1つでも該当した場合は、保護者に園での気になる様子を伝えて、念のため保健所・発達支援センターなどへの相談を促すとよいでしょう。
もしかして視覚過敏かも?
6つのサイン
□強い照明を極端に嫌がり、薄暗い場所を好む。
□晴天の日は外に出たがらない。外に出ると疲れやすい。
□カメラのフラッシュを怖がり、パニックを起こす。
□人とすれ違うときぶつかりやすい。
□飛ばし読みをしたり、読んでいるところがわからなくなったりする。
□なぞり書きが非常に苦手。
教えてくれた人/筑波大学 人間系教授 熊谷恵子
イラスト/平澤 南
取材・文/麻生珠恵
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PriPriパレット 2022年8・9月号

PriPriパレット 2022年8・9月号

28ページに掲載

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