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ことばの発達の「サイン」を知ろう②

個人差の大きい幼児期のことばの発達。子どもに気になる姿があったとき、様子見でよいのか否か、迷ったことはありませんか?保育者が押さえたい「サイン」を学びましょう。
幼児期のことばの発達は個人差が大きい
ことばの発達は体の成長とともに、誰もがほぼ同じような経過・順序をたどって進んでいきますが、その速度には個人差があります。一般的に0歳で喃語、1歳で単語を話し始め、1歳半健診の頃には「目はどこ?」と尋ねると指で示すなど比較的簡単な体の部位と名称を認識するといわれています。しかし0~3歳頃の個人差は非常に大きく、それぞれの発達段階でも一律には伸びません。発達が止まったかのように見えても、次にはすぐできるなど、スピードもまちまち。先述のことばの発達段階は目安なので、比較しすぎないようにしましょう。ただし、「理解(わかる)」→「表出(話す)」の順で進む発達のステップは共通しています。子どもは、聴覚や視覚で得られる情報を統合し、その物の名前とを一致させる「ラベリング」を行ううちに、話しことばを習得していきます。
ことばの発達の遅れを3つに分解すると
「ことばの発達がゆっくり」は単に「話すのが苦手」とは言いかえられません。「流ちょうに話せない」と「会話のキャッチボールができない」とでは、それぞれに対する手だては異なるでしょう。下のように、ことばを3つに分解してみると、ことばの何に課題があるのかがわかりやすくなります。
話しことば(speech)
相手が聞き取りやすい速さ、発音で、ことばを滞りなく流ちょうに話せること。
[ 難しいと…]
● 構音障害
(発音がうまくできない)
● 吃音
(ことばが滑らかに出てこない)
言 語(language)
ことばの意味を理解し、年齢相当の表現ができること。語彙の知識も含む。
[ 難しいと…]
● 言語発達の障害
(難聴、発達障害などが背景となり、ことばの理解や表現が遅れている)
意思伝達(communication)
自分の思いや要求をことばで伝えられ、相手と会話のキャッチボールができること。
[ 難しいと…]
● 発達障害の一部分
(自閉スペクトラム症など)
教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野
イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔
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PriPriパレット 2023年6・7月号

PriPriパレット 2023年6・7月号

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