はじめての性教育②
性教育は、「性=生殖」のように、誤解を持たれやすいことばです。しかし、本来の性教育は、「性=人権」という考え方を土台とし、自分のからだ、人間関係、そして社会とのつながりについて知り、「どのように自分が生きるか」を考えることです。これを「包括的性教育」といい、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、幼児期から年齢別の指針があります。保育の中に包括的性教育を取り入れることは、子どもの人権の保障につながります。ぜひ、園でできることを考え、少しずつ実践を積み重ねていきましょう。 | |
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包括的性教育の第一歩として子どもに伝えたいこととは? 幅広い包括的性教育のテーマの中から、からだへの興味がわき始め、他者と関係を築き始める乳幼児期に保育の中で伝えたい内容をピックアップしました。 |
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多様な家族や人間関係があること 家族は、人間関係をつくる上で基本となる関係性です。いろいろな家族の形など、多様な人間関係があることを子どものうちから知れるとよいですね。 また、子どもは、男らしさ・女らしさや、性を笑う・隠すなどの価値観を、家族や身近な人から学んでいきます。「女の子だからピンク」「男は泣かない」など、性によって「こうあるべき」という社会にある考え方を問い直し、次の世代に少しでもバイアスを引き継がないようにする役割が、大人にはあります。 |
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包括的性教育を知る ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンス 性教育の到達点を示した国際的な指針。性教育にかかわる世界の国々の専門家の研究と実践を踏まえて2018年に改定。性・生殖に関する知識だけでなく、人権やジェンダー、人間関係、幸福なども含んだ幅広い内容となっている。 ※『国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】』(明石書店/2,860円)として書籍化もしています。 日本語版ガイダンスはこちらから |
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教えてくれた人/ 宇都宮大学 共同教育学部准教授 艮 香織 イラスト/ノグチユミコ 取材協力/あおぞら谷津保育園(神奈川県) 取材・文/古屋あさみ |