「吃音」を知ろう②
吃音とは、話しことばが流暢に出ない発話障害のひとつです。幼児期には、まだ自覚がないことも。正しい知識をもって、適切な支援を行いましょう。 | |
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たなはる CHECK 吃音症状の段階を知り、正しい知識をもとう! |
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自覚と苦手意識が段階的に現れる 吃音の症状は大きく分けると下のような3種類。 2歳から4歳までに発症することが多いといわれています。 |
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[ 連発 ] 音をくり返す。「わ、わ、わたし」 [ 伸発 ] 音を引き伸ばす。「わーたし」 [ 難発(ブロック) ] 音が詰まる。「わ…たし」 |
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また、7〜8割は自然に消失し、それ以外にあたる2〜3割は、症状と子ども自身の気持ちが下図のように進展するといわれています。最初は、症状があっても自分に吃音がある自覚や話すときの体のこわばりもありません。しかし症状が進むにつれ、会話への苦手意識をもち、ことばの言い換えなど症状を回避する行動が見られるようになります。 | |
発達性吃音の進展段階 | |
Step 1. 自覚はなく、体のこわばりは見られない [症 状]体のこわばりを伴わないくり返しや引き伸ばしが中心。症状の波も大きい。 [気持ち]自覚・情緒的反応はほとんどなし。 |
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Step 2. 話すタイミングで体のこわばりが現れる [症 状]音の詰まりが出現。くり返しや引き伸ばしもあり。顔や首に力が入る、手や足でタイミングを取ることなども。 [気持ち]吃音の自覚が芽生える。 |
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Step 3. ことばを言い換えるようになる [症 状]心身ともに緊張し、苦手な単語を別のものに言い換えるなど、吃音が出にくくなる工夫を自分で行うようになる。 [気持ち]話すことに苦手意識をもち、吃音を欠点と捉えるようになる。 |
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Step 4. 症状が改善されたように見える [症 状]自分で吃音が出ない工夫をしたり、話す場面を避けたりするので、症状は減る。 [気持ち]吃音を恐れたり困惑したり、深刻な問題と捉えるようになる。 |
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教えてくれた人/言語聴覚士 田中春野 イラスト/妹尾香里 取材・文/オフィス朔 |